森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:典型的というものの拡張

2010年09月17日 06時49分28秒 | 日記
昨日は午前中は2年生の見学実習報告会.
様々な様相の施設にいってもらっているが,
彼ら彼女らが就職するころには,予防医学や
株式会社も含めてフィットネス産業など,
バリエーションに富む就職先があってほしいと思います.
もう自分の好きなことをやるのは,古臭いしきたりの場所でないほうがいい.
専門性はあるものにある意味固執することでもあるが,
それは極めて根深い問題でもあります.
それ以上の発展はないのであれば,衰退をたどるのみです.
治療に生きるというのも,聞こえはよく,格好いいのですが,
そういう職人,つまり伝統を守り続けるには,
ある意味,驚異的な技術が必要です.
いっぽう,それだけでなく,新たな分野に事業拡大していかないと,
他が参入し,知らない間にとってかわられます.
古臭いしきたりだけに固執するセラピストは,
今後はお荷物になるのかもしれません.
私は最近もっとグローバリゼーションに考えないといけないと思っています.
医者のように特化してしまうのはリハビリテーションは危険です.
リハビリテーションはグローバリゼーションそのものなんですから.

午後は3年生のゼミ.
今日は,渡久地君が周期運動におけるリズム形成,小出さんが音楽と脳活動,
藤原さんが一次運動野は運動出力に関与するのではなく,
運動計画に関与するという論文を紹介してくれました.
ここでは,信頼のおける論文とはどういうものなのか,
彼ら彼女らに伝えました.
日本の雑誌の研究はある意味,なんとでも捉える事ができ,
つまり,こうも考えられる,こうも考えられるというのが多く,
結局は自分たちの主張を考察でしているのが多いのです.
それに対して,英語論文は査読が厳しく,ある意味統制がとれており,
非常にシンプルなのです.
シンプリイズベストという言葉はまさに科学に美しさを与えてくれます.
私は主張合戦はほとほと嫌気がさしています.
いくらそれがデータをとっていても結局はそれを主張するためのデータ収集ですから.

その後,教授会,研究科委員会,学科会議と続き,大学院の応募が看護領域が入ったことで,順調.
会議後,急ぎ足でゼミの懇親会にでかけました.
今日が4年と3年の顔合わせ会です.
協力して実験に向かってもらいたいものです.