中学入試・算数の小部屋

中学入試に出される算数の問題は、一般の人にとっても、なかなか良くできた脳トレです。

横浜女学院2009年A問題〔6〕・解説(答え)

2009年05月03日 | 中学受験算数・解き方
「ボレロ」の転調というのは、この一つ前の項で紹介したビデオでは6分10秒位で起こります。ハ長調からホ長調へのいきなりの転調があって、吹っ切れたかのような気分の転換が起こります。

(1)1けたの約数を聞かれているということは、1けたの約数がありますよというヒントになっています。実に親切な問題です。作問者の誠意を感じます。
1けたの素数は2,3,5,7しかないからこのどれかで必ず割れるということです。
2の倍数の特徴、3の倍数の特徴、5の倍数の特徴はそれぞれご存じですか?
2の倍数は1の位が偶数(0を含む)。
3の倍数は各位の数字の和が3で割り切れる。
5の倍数は1の位が0か5。
これらの知識は中学受験をする小学生なら知らなければいけないことです。

さて、2009は上の特徴のどれにも当てはまりません。ですから7で割れるということだろうと推察できます。
2009÷7=287
割り切れました。
ということで、答えは7です。

(2)これは少し難しいかも。でも287をよく見てみると、また7で割れると気付きます。このあたりは算数に対するセンスも関係してくるかもしれません。七四二十八、七一が七、という九九がすぐに浮かぶかどうかです。
2009=7×7×41
約数の個数の求め方(本当は中学で習うことですが、算数が分かってきた生徒には私は教えています。)で、個数は6個と分かりますから、漏れのないように書き出しましょう。
1、7、41、7×7、7×41、7×7×41ですから、答えは
1,7,41,49,287,2009です。
(1や2009を忘れやすいですから注意!)

(3)ここが私が言うところのボレロの転調です。
どうして約数を考えていたことと整数の和で表すことがつながっていくのか。
転調します。
頭を切り換えるということです。ブレークスルーとも言えましょうか。
2009=7×287を使います。
この式は何を表しているのでしょう。
この式は、2009は287が7個集まったものですよと伝えてくれているのです。
つまり287(3けたの整数です!)を7個足せば2009になるということです。
でも問題では、連続した3けたの整数の和として表わせとなっています。
7個ですから簡単です。
(偶数個だとかなり面倒かも)
真ん中の287はそのままにして、前後の287を1ずつ足したり引いたりしていけば良いのです。
直接指導していたら線分図を書いて説明するところですね。
式で言えば
最小の数から最大の数までは次のようになります。
287-3
287-2
287-1
287
287+1
287+2
287+3

ということで答えは
284と290です。

因みにボレロのビデオでは6分30秒のところから再びハ長調に戻って大団円を迎えます。実に爽快な後味です。
この問題にも同じような爽快さを感じました。