中学入試・算数の小部屋

中学入試に出される算数の問題は、一般の人にとっても、なかなか良くできた脳トレです。

2019年中学入試問題・算数・浦和明の星女子中学・4番・解き方

2019年05月09日 | 中学受験算数・解き方
見やすいように、問題も載せておきます。

《問題文》
池の周囲を一周するようにランニングやサイクリングができるコースがあります。
毎朝、このコースを、明男くんはランニングで、星子さんは自転車で、同時に、同じ地点から逆方向に走り出します。
2人はそれぞれ一定の速さで何周か走り、8分間隔ですれ違います。
明男くんは1周するのに24分かかります。

ある朝、明男くんと星子さんは、走り出してから8分後にすれ違いました。
ところが、次にすれ違ったのはその10分後だったので、明男くんは星子さんを呼び止めて
「いつもは8分間隔ですれ違うのに、どうして今回は10分かかったのですか。」
と尋ねました。すると、星子さんは
「工事のために自転車で走れない区間があって、そこでは自転車に乗っているときの1/4(4分の1)の速さで自転車を押して歩いたからです。」
と答えました。

(1)明男くんが走っているときと、星子さんが自転車に乗っているときの速さの比を、最も簡単な整数の比で表しなさい。

《解き方》
この問題では時間以外には具体的な数字が出てきません。
ですから、時間以外の要素、ここでは距離、については、計算しやすい数字に自分で決めてしまって構いません。
これは実際の入試の時にも使えるやり方だと思います。

時間は8分と24分が出てきていますから、その最小公倍数の24を1周の距離と決めます。
【24】としましょう。【】は単位の様なものと考えてください。

明男くんの分速を求めます。
【24】÷24分=【1】

明男くんと星子さんの分速の和を求めます。
【24】÷8分=【3】

すると星子さんの自転車での分速も求められますね。
【3】-【1】=【2】

答え 1:2


(2)星子さんがコースを1周する間に、自転車を押していた時間は何分間ですか。

《解き方》
1度出会ってから次に出会うまでに10分掛かったとき、明男くんが進んだ距離は【1】×10分=【10】です。
星子さんが進んだ距離を求めましょう。
【24】-【10】=【14】

この距離を2通りの速さで合計10分で進んだということです。
つるかめ算ですね。

2通りの速さとは、いつもの【2】と、その1/4(4分の1)の【0.5】です。
押していた時間を聞かれていますから、全部【2】で進んだとしてみましょう。
【2】×10分=【20】

実際との差を求めます。
【20】-【14】=【6】

この【6】を、【2】-【0.5】=【1.5】で割ります。
【6】÷【1.5】=4

つまり、4分だけ遅く進むと10分でちょうど【14】進めるということです。

答え 4分