あと少し

先月の下旬に、遠方にまで行って仕事の可能性を求めた。
自分のスキルからすると必ずしもベストの選択とはいえないが、未経験でも意欲しだいというわずかなものにすがって、PCのサポートデスク的な業務に申し込んでいた。
昨日あたりに状況の回答があって、仕事の依頼自体がなくなってしまったとのことで大変残念な思いをした。

毎日PCに触るといっても、メールやネット、本欄の更新などが主で、ビジネスソフトはあまり使わない。
こんな自分でもと考えてしまったのは、PCに対する「アレルギーのなさ」だけという単純なものだが、裏を返せばそれだけ現状に対する危機感や切迫感がある。
その意味では、1つの可能性が消えたわけだから少なからずショックはあった。
いざとなれば遠方に行く覚悟もできていたし、事前に勉強するつもりでもいた。

そのせいか、今日は朝から何となく気分が晴れずに過ごしていたが、思いがけず地元で残されていた案件に進展があった。
書類審査でずいぶん待たされて、半分あきらめかけていたところに電話がかかってきた。
書類にはこれまでのバタバタした経歴も包み隠さず書いていた。
それを見た上で、また30代後半という年齢にもかかわらず会ってくれるというのだから大変ありがたい。
「窮すれば通ず」とはよく言ったものだ。

これで決定ではもちろんないが、大きなチャンスが来たことは確かだ。
こちらのほうがスキルが生かせる業種であることには相違ない。
ここまでの過程で、言いたくないような経験もした。
それが、もう少しがんばれば、また好きな仕事で活躍できる段階まで来た。
最後に残されていた悩みがあと少しで消えるかもしれない。

ここまでの歩みは、家族の支えなしではありえなかった。
道に迷い、時には情けない姿を見せても決して私を見捨てることなく信じてくれた。
圧倒的に「借り」ばかりが残る現状だが、遅ればせながら少しずつでも「恩返し」をしていきたいと心から思っている。