酢豚の旨み ～豚の天ぷらだけでも美味しいが～

酢豚を作る手順で言えば、豚の天ぷらをまず揚げるが、それを単品で戴いても確実に美味しい。しかし、二次加工に突入していくのが「酢豚」であって、各種彩り野菜と中華炒め風に仕上げていく。ひと口で言えば面倒なお料理にジャンル分け出来るという意味では、豚カツで「かつ丼」を作る二段階工程とよく似た雰囲気だ。





そんな面倒なお料理が「酢豚」なはずなのに、面倒を好まないオカンのお得意料理であったのが、今から考えても不思議なことだ。これは家族の誰かが、オカン流酢豚を食べて「美味しい！」と言ったからに違いない。得てしてそんな小さな誉め言葉は大きなパワーとなり、面倒な調理をいとも簡単にこなせるように人間を変えるようだ。



中華と言えば、火力を強めにテキパキと炒めてしまうのが基本であるが、家庭の火力では逆に中火くらいで休みなく混ぜ混ぜするのを心掛けている。これが餡かけにも適しているようで、お約束の味覇（ウェイパー）の出番となるのは、普通に中華の決まり事として守っている。オイスターソースを使ってみるのも、お味に深みが出て美味しさアップにつながりそうだ。

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