昨日はギター講座の日だった。 課題曲は予定していたよりも1曲先に進み、中級の下巻のテキストは予想以上に進捗が早く進んでいる。
今年の後期の講座が開講出来るのか? と、継続する受講生は、私を含めてちょっと心配になった。 これは、今受講している人数から後期は二人が離脱することが決まっていて、開講する最低人員が集まらない場合には、講座の開講が出来なくなる。
ただ、講師の話では、仮に開講出来なくても、講師個人で施設を借りて、集まった人数でこれまでと同じ内容で講座を開講して、継続する予定であるとの事。
さて、いつも私の隣で弾いている受講生(私よりも年上だろうと思うが)の方はこのギター講座に通い始めてからすでに4年以上が経過しているとのこと。 私は後期が終えた時点で2年になるのである。 で、その受講生の方が今回新しくギターを新調して、昨日はそのギターを持ってきていた。
国産手工ギターである。 河野ギターである。 日本の手工ギターとしてはおろらく最高峰の手工ギターだと思う。
価格は・・・本当の所は聞いてないが、話の内容では50万円は超えているだろうと思う。 受講生の技量はあまり上手とは言えないレベルで、私はすでに彼女(女性である)の課題曲よりの数曲も先に進んでいるほどだ。 なので、彼女は課題曲を私が弾いている動画を参考にするために、私の演奏の動画を撮るのである。 私も彼女のために快く弾いている。
そのギター(河野ギター)を少し弾かせて頂いた。 確かに音色は彼女が弾いていたそれまでのギターよりも良い。 ただ、私がいつもギター講座に持って行っているギター(Córdoba45limited)との違いを期待したが、実際にはそれほど思っているほどの音色ではなかった。 以前から書いているが、ギターの良さは価格に比例していない。 これはギターを弾く人の趣向もあるし、コスト的な問題もあるだろうが、日本の手工ギターが決して良いとは私は思っていなのである。 以前、私も国産手工ギターに憧れて、有名な作家のギターを買ったが、結局は半年で手放した経験がある。
逆に言えば、少しだけだが、弾かせてもらって、あぁ・・・なるほどね。 と何だか納得した気もする。 やはり、価格以上の物を期待することは無いし、もっと厳しく言えば、価格が50万円を超えているが、その価値があるだろうか?? と思ったのである。 私は2本のクラシックギターを所有していて、去年9月に2本目のギターを購入した。 まだ1年は経過していないが、このギターは試奏したりすることなく、動画で確認する程度で、あとは見た目で購入を決めた。 最初の1本も実は見た目で決めたギターである。 Córdoba45limitedもネットで見つけて、即買いしたギターである。 しかし、実際に弾いてみて、その音色の良さと弾きやすさは価格以上のギターだと実感した。 Córdobaのギターは他のギターメーカーの価格と比較しても、とてもリーズナブルであると実感している。 しかも、その作りの良さと、品質的にも申し分ない。
クラシックギターとしては珍しい、トラスロットが仕込まれているので、ネックの反り調整も簡単だし、トラスロッドが入っているので、ネックの反りはほとんど皆無だ。
その点でも、長く使い続ける事が出来るし、耐久性なども非常に高い。
価格も購入価格は16万円で、専用ケースも付属している。 そのギターと比較しても、彼女の手工ギター(河野ギター)はそれほどの音色だと思わなかった。
ほんの少し弾かせて貰っただけだが、それでも、音量やサスティーンや、明瞭な響きはあまり感じる事がない。
ましてや、私のもう一本のギター(Cordoba/Esteso SP )の音量や響き、サスティーンの伸び、高温の透明感、低温の重量感のある厚みのある響きには到底及ばないと実感してのである。 Cordoba/Esteso SP は価格は308000円(税込み)専用ハードケース付属。 であり、値引きは無い。 なので、定価購入が基本だが、実際にこのギターを弾くとその素晴らしさは価格からすると想像以上に価値があることに関心させられる。
作りの良さも他のギターと比べても、最上級と言える品質だと思う。 音色だけではなく、そのルックスも魅力的であり、ギターの材質も通常の汎用材とは違っていて、新しい材質を使っている点でも、評価できる。
Córdoba45limitedの材質もとても特殊的で、トップはスプルースだが、サイド、バックはブラック&ホワイトエボニーである。 この材質はギターでもほとんど使用されていない。 がしかし、こうした材質を使用してギター制作をするCórdobaと言うギター工房は斬新的で、革新的でもある。
何よりも、その見た目の良さ、カッコよさは他のギター(特にクラシックギター)メーカーは真似できないセンスの良さがある。
実際に、初めてギター講座にCórdoba45limitedを持って行った時には、受講生の中にギター制作をしている人が居たが、私のギターを見て、とても珍しいと言っていたし、写真まで撮るほどだった。
さて、なんだか私のギター自慢的になったので、ちょっとね・・・。
これは私のギター自慢をするつもりはない。 Córdobaのギターに惚れている人は多くいるだろうし、同じギターは数多く制作されているし、今でもネットでも普通に販売されている。 Córdobaギターや他のメーカーのギターでも同じだが、その価格帯によって、手工ギターと変わる事が無い制作過程で制作されているギターがある。
逆に言えば、同じ品質のギターを制作できる工程があるし、そうしたノウハウや設計がある。 ギターは単なる材質やその価格ではない。 どれほど高価な材質を使用しても、どれほどの手を掛けて制作されていても、設計や製作の過程、ブレージングなどの試行錯誤から生まれる音色や響きの良さを追求するルシアーの技量による。
価格を抑えてより良いギターをユーザーに届ける事。 そうした精神はCórdobaギターにはあると思うし、Córdobaギターは常に新しいギターを追求している。
YamahaがCórdobaギターを買収して、傘下に収めた背景にも、その卓越したギター制作の精神や、ノウハウ、新しい発想などを採り入れる戦略もあったろう。
Córdobaギターはスペインの工房で制作されていたが、今は中国での生産になっている。 アメリカ制作もあるが、Córdobaの最上級ギターのみの制作に限定されていて、Cordoba/Esteso SP はスペインから中国に移設された。 がしかし、スペイン製よりも、中国製の方が品質的にも向上しているし、デザインも良くなっている。 中国生産だが、ルシアーはスペイン時代と変わる事もないし、材質もスペインから持ち込んでいる。 私は国産手工ギターには、以前も書いているが、今は全く興味が無いし、欲しいとも思っていない。 逆に言えば、海外のリーズナブルな作りの良いギターの方がはるかに価値があるし、音色の点でも勝っているだろうと思っている。
ギターは有名で高額である必要もないし、何よりも、自分の耳で、自分の感覚に正直に感じる音色や響きを優先することだろう。
さて、今日も午後からしっかりとギター練習をする。 新しい課題曲を次回までに完璧に弾きこなす事が出来るようになっておきたい。