しゃちくんは野良猫ブログ

30年以上前になりますが自分探しのためにバイクで日本一周。
そして今、会社を畳んで田舎暮らしの準備中です。

デフレからの脱却

2012-03-21 00:10:20 | 仕事のはなし
軽トラックの荷台には高級材が積んである。



地元農家の庭にあるお稲荷さんの鳥居2本分の材料です。

桧磨き丸太無節背割り無し4本と

棟木は吉野桧四方無節で総額20万円也。

最近、こういう高級な材木がさっぱり注文が来ないし

専門問屋の廃業も相次いでいる。

節の無い材木を手に入れるには

山林で枝打ちをして間引きして育てないとならない。

安い物ばかりを求める時代に必要とはされなくなった高級材。

TPPを導入すればこの傾向があらゆる分野に影響するでしょうか…



OSB合板2山でこれも20万円。

この2枚の写真は材積の比較だけではありません!

商売としてなら数字だけの売上確保をすれば良い。

但し、量産が出来る合板は醜いまでの価格競争に巻き込まれて

ホームセンターの売価はうちの仕入れ値だったりするのだwww

こんな流れに飲まれてしまうと会社は成り立たない。


豊かな森は豊かな海を育てる。

真鶴半島の美味しい魚は森が育てていると言われてます。

この場合の豊かな森とは植林を意味するのです。

材木屋とは日本の森林サイクルの循環を助ける仕事でもあるのだ!

とは日本有数の材木市場を育てあげたオヤジさんの言葉だったけど

今はすごく実感している私です。


☆☆☆天国にいるオヤジさんへ☆☆☆

あなたが興した材木市場が岐路に立たされておりますよ!

山崎イズムを継承した社員が退職して現代流に変化はしたけど

時代が求めているのは安くて規格化されたものばかりなりwww

植林で間引かれた間伐材を有効利用するのも材木屋の責務だと教わったけど

今や間伐材は木材チップくらいしか利用されない。

カナダツガからロシア赤松、北欧イエローパインがトレーラー単位で

流通されて、国内の木材産地からの輸送トラックの荷物がまとまらず

材木市場の集荷でさえ苦労する時代になっているのですよ!



3枚の米栂の枠材の真ん中の材料の先端の段差加工、

これはアメリカから中国経由で日本に輸入される時の

意味の無い加工なのですwww

大量に買い付ける中国は日本よりも安くアメリカ産木材を輸入する。

元々は日本から要求して製材された品々だ。

スプルース(アラスカ桧)も中国経由の品の方が安い!

アメリカから直接買い付けるよりも為替差損を考えての貿易が

末端価格を大きく左右するグローバルな視野に立てば

日本の林業の将来はお先真っ暗だと思います。

消費者に安い品を提供する代わりに国内の生産現場を切り捨てるTPPに

オヤジさんが健在だったなら農水相にガツンと厳しく言ってくれただろう。

私の提言は保護主義では無い。

海外からの輸入品に関税を課す事により国内の農林水産業を守ることだ。

雇用の確保とデフレからの脱却にはTPPはマイナスに作用するでしょう。






コメント (2)
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