こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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びっくりするような事もある。

2010-06-01 23:04:31 | 訪問看護、緩和ケア
個人差って言えばそれまでなんですが、びっくりするようなこともあるんですよ。

終末期に入って、普通麻薬や鎮痛剤が増えて、安定剤なんかも結構飲んでると、ほとんどの方が終日ウトウトとされて、過ごされるのですが、なかにはぜんぜん元気に動かれる方もいて・・

デュロテップMTパッチも16.8mg×2枚も貼って、レスキューはオプソ20mg、それでも効かなければアンペック20mg、さらに定時でデパスにサイレース二なんだかんだ。

これだけ麻薬や安定剤を使っていると、普通は横になっているほうが楽だと思うのですが、IVHの点滴台を持って家の中をあちこち移動。
動きすぎてポートの針が抜けちゃったりする方がいます。(それも、IVHが抜けてポートにしたんですよ・・)
そのうえ、入院中はほとんど食べられなかったのに、今は毎食お粥や煮物などを食べているんです。(サンドスタチンも使ってたのに!?)

さらには、夕方はお買い物、さらにその夜は9時過ぎにスーパーで転んじゃったと連絡が・・・

そして、訪問するといつの間にか看護師のカバンに、なぜか栄養ドリンクをそっと忍ばせる名人なんです。
ある看護師は、なんとステーションに戻ってから、栄養ドリンクが5本も入っていたことに気ずいてびっくり!

私が、初めて夜緊急訪問した時は、「お礼を!!」と言って、「ちゃんと利用料を頂きましたから、それは受け取れません!!」と逃げながら言う私を追っかけて、点滴台をひっぱってお金を渡そうと走ってきた事もありました。

さすがに、お金はあきらめ今は、そっと栄養ドリンクをかばんに入れてくれますが・・。
それはみな、ありがたく頂いています。

そんな彼女には、なんどもびっくりさせられましたが、今ではうちのナースたちのアイドルです。
とってもチャーミングで不思議な動きをするので、訪問が終わると行ったことのあるナースたちでいつも盛り上がるので、「私も仲間に入りたいから一回行きたい~!」というナースまででるくらいです。

何だか不思議に魅力的な彼女ですが、実は病状はあまり思わしくなく、私たちも出来ることならこのまま、楽しい訪問でいられる事を祈りながらも、その先にある別れの時を考えると、悲しい気持ちになってしまうのです。