こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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朝からウルッと・・・

2010-06-03 23:04:39 | 訪問看護、緩和ケア
しぇ~
今日は初めての市訪問看護連絡協議会の役員会でした。
夜の7時から始まって、終わったのが10時そして11時に自宅に着きました。
参った~。
そこで協議された盛りだくさんの業務分担も含めて、こんなに大変だとは思わなんだ・・。
ちゃんとお役目全うできるか不安が・・・。
でも、引き受けたからにはやるしかないですね。足手まといにならないように頑張ります。


ともあれ、今朝のショートカンファで、ウルッとした話を聞いてください。

先日、長い在宅介護をえて、お母さんを見送ったKさんのお話です。

Kさんのお母さんはいわゆる老衰で、寝たきりになって数年、月の半分をショートステイ、残りの半分を自宅で過ごされていました。

ショートステイを利用していたY特養は、とてもモチベーションの高い施設で、デイサービスにせよショートにせよ、たとえ終末期であっても受け入れてくれるところです。

先日もデイサービスでのお看とりをしてくれました。
そして今回も、数日前から状態が落ちていたKさんのお母さんをショートステイさせてくれていました。

ご家族の就労状況や介護力を良く理解してくれて、ご家族の希望に沿っての受け入れでした。

終末期の利用者をギリギリまで受けてくれる施設はそんなに多くはありません。

ほとんど場合、老健ですら断られます。

Kさんのお母さんも、いよいよ危篤状態となり、往診医も施設に出向き、間もなくお別れが近いことを告げました。
とても不安が強く、Kさんはショートステイの継続をお願いし、その晩は泊ることになっていたようです。
しかしその前に、お母さんは静かに旅立たれてしまいました。

昨日、担当の看護師とケアマネがご挨拶に伺ったとき、Kさんはこんな話をしてくれました。

「施設の方に、本当に良くしていただいてとてもありがたかったとお礼を言った時『いいえ、とんでもありません。私たちはKさんのおかげでとてもよい勉強をさせて頂きましたこちらこそありがとうございました。』」と言われました。
母は、ずっと世話になるばかりで、誰の役にも立たずに逝ってしまったと思っていたのに、そんなふうに『勉強させていただきました』なんて、言ってもらえるとは思いませんでした。母は、誰かの役に立っていたんだと思うと、とてもうれしかったです。」と

いろんな形で人とかかわるときに,言葉一つでこれほど相手の気持ちを高めることができるんですね。

死というものにたいして、医療職ではない人たちのほうが、より厳粛に向き合うことができるのでしょうか?

そうではないと思います。

たとえ、日々死と向き合う医療者であっても、それは向き合う人の、気持ちの問題だと思います。

こういう話を聞いて、「はあ、そうですか。」で終わる人もいれば、うちの担当ナースのように、涙を浮かべて話してくれる人もいます。
彼女が伝えたかった事は、カンファにいたスタッフみんなに伝わりました。

看護師として優秀だとか、医者として腕がいいとか、そういう以前に、感性の問題なのだと思っています。
感性の鈍い人に、よい看護はできないと、私は思っています。
たとえ、救命救急の現場であっても、感性はの豊かな人は気ずきも多いはずだし、センスの良い看護ができるのだと思っています。

今朝この報告を聞いていた看護学生はどう思っていたのかな?

心のどこかに引っかかってくれて、看護師として働き出した時に、「患者さんに学ばせてもらっている」と思える看護師になってほしいなと思いました。