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石川知裕著「雑巾がけ―小沢一郎という試練」(新潮新書)を読了。
小沢一郎と言う人は、政治の才能はあるが、かなり曖昧でルーズな面もある。この小沢一郎の秘書を務めてのちに国会議員となった石川氏。終わりに、「『小沢一郎』という巨大な謎に向かい合うことが、私にとっての雑巾がけの意味なのかもしれない」と結んでいる。
小沢一郎と言う厄介な存在。しかし、「人柄がいいが無能な社長」と「独善的だが有能な社長」とでは、当然後者につくと語る石川氏。けれども、一番いいのは、「人柄がよくて有能な社長」と言っている。企業と政治では考えが違うと述べる。
小沢一郎に仕えなければ、石川氏は政治資金規正法には引っかからなかっただろう。しかし、小沢氏の下では、十分に訓練を積んだ経験から、今の石川氏につながる。出会うべくして出会ってしまったのか。何とも、政治にバカが付くほど生真面目な態度の石川氏の本であった。