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偉そうなタイトルを付けてしまいました(^^)が、漢検1級にただ単に合格するだけなら「漢検 四字熟語辞典」掲載の熟語そのものだけを覚えれば、なんとかなると思います。でも、それだけでは寂しいし苦痛さえ感じてしまうのではないでしょうか?(私もチャレンジ2回目でなんとか合格した時は、余裕もなくただ熟語そのものを覚えるのに必死で、そういう感じでした。・・・ただ、この場合でも1級配当熟語以外の熟語やその解説・説明までは学習しましたが・・・。)
今回は「1級高得点獲得のため」かつ「熟語の奥深さや漢字の楽しさを味わうため」に、私が我流で行っている、四字熟語から漢字や周辺知識などを広げ深める方法・内容について紹介します。その例として「晴好雨奇」「大器晩成」「漁網鴻離」を取り上げて説明します。これらは1級配当でもなんでもないですが、その解説・説明やその背景・全貌などを調べ勉強すると、思わぬ副産物(成果)が生じるという実感があります。これからの学習の参考になれば幸いです(^^)
<晴好雨奇>(4級)ー「湖上に飲す 初め晴れ後に雨ふる」(蘇軾)ー
水光瀲灔(れんえん)として晴れ方(まさ)に好(よ)く 山色空濛(くうもう)として雨も亦また奇なり
西湖を把(と)って西子に比せんと欲すれば 淡粧濃抹 総て相宜(よろ)し
*1行目は「四字熟語辞典」の解説・説明にあり。2行目はネットや漢詩関連の書物などで調べました。
瀲灔(れんえん):瀲(1級):「レン、みぎわ、う(かぶ)」、灔(1級対象外)
空濛(くうもう):略
西湖:杭州(浙江省)の名勝地
把(と)る:準1級レベルの訓よみ
西子:西施(せいし)のこと。 「顰(ひそ)みに傚(なら)う」「西施捧心」で有名。
淡粧濃抹:「四字熟語辞典」収録ずみ。同詩出典。
・・・主題(メインテーマ)は、西湖の雨にけぶる風情と晴れている時の美しさなんですね。それを西施の薄化粧や濃艶なさまで洒落て比喩しているということ。
<大器晩成>(5級)
「四字熟語辞典」補説に「出典の「大方(たいほう)は隅(ぐう)無く、大器は晩成なり」にもとづく」とあり。「大方」や「隅」だけでも試験に出そうな感じがしましたが、出典・老子41章(道徳経)とあったので、ついでに、該当箇所を調べたところ、
・・・明道は昧(くら)きが若く、進道は退くが若く、夷道(いどう)は纇(らい)なるが若し。
上徳は谷の若く、太白(たいはく)は辱たるが若く、広徳は足らざるが若く、建徳は偸(とう)なるが若く、質真(しつしん)は渝(かわ)るが若し。大方(たいほう)は隅(ぐう)なく、大器は晩成す。大音は希声(きせい)、大象は無形なり。・・・
とありました。
この意味はネット等で説明してくれている方々がたくさんいらっしゃるので、興味ある方はそちらで調べてみてください。
ここでは人口に膾炙している「大器晩成」からでもこのような奥深い世界や漢字群があることをお示ししたかった次第です。
*纇(らい):1級対象外
<漁網鴻離>(準1級)
出典は「詩経」の風の中の「新台」(しんだい)という作品だそうです。全文はこの前後にもあり長いのですが、
該当する部分を抜粋すると、
漁網之設 漁網を之(こ)れ設けしに
鴻則離之 鴻則(すなわ)ち之(こ)れに離(かか)る
燕婉之求 燕婉(えんえん)として求むるに
得此戚施 此(こ)の戚施(せきし)を得たり
<意味>魚を捕ろうと仕掛けた網に、鴻(こう)がかかってしまった。すなおに(良い若者)を求めようとしたのに、こんな戚施(せきし)のような男をつかまえてしまった。
(注)「漁網鴻離」の「鴻」は、四字熟語辞典では一般的に「おおとり」として雁の大きいもの、という解説がなされている。
原典の解釈になると、通説では「鴻」を蝦蟇とし、その説がとられているらしいです。 「戚施(せきし)」にも、①猫背のひと、せむし、②ひき蛙 の2通りの意味があるみたいですが、通説では①の意味らしい。②の「ひきがえる」、蝦蟇(がま)のような男・・・と云うほうが面白そうではありますが・・・。
以上、どうでしょう?漢字や熟語の奥は深いですねえ・・・(^^;)
ではまた。
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