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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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<漢検1級 27-③に向けて (番外) 「堽」のはなし>
<「堽」(コウ、おか)>
・漢検「漢字必携」には「岡の別体字」と載っているだけですが、1級配当漢字です。
・熟語も(“おか”とは関係ありませんが)「堽頭(コウトウ)」(=水夫の頭目(大漢和))なんて熟語が一つあるだけ・・・模試で出しました。・・・字通・大字源・漢字源にも熟語は見当たらなかった。
・でも、漢字源で新しい発見・・・説明の中に、「日本:地名で「堽内(ひさぎうち)」、大分県の中の地名・・・」なあんて、書かれてあった。
・こりゃ、例の古代につながる言葉かも知れないと思って、いろいろ調べた。
・Yahoo検索で、確かに、大分県に「佐伯市弥生大字“提内”」という地名があった・・・(今は「提」の字になっている模様)・・・“弥生”なんて、大字の前についているから、ますます、古代っぽくなってきてワクワクしながら調査続行・・・
・いろいろ検索するうちに、「堽内」で、『大分県に「堽内(ひさぎうち) 」という地名が現われます。これは通称ですからかなり狭い範囲の・・・』
というのがヒットした・・・この記事を開いたら、
「第 10 回 「ことば」フォーラム 「暮らしの中の漢字」 2002 年6月 29 日(土) 国立国語研究所 講堂
小椋 秀樹(国立国語研究所) 山田 貞雄(国立国語研究所) 笹原 宏之(国立国語研究所) 独立行政法人 国立国語研究所」
という講演録が出てきた。ますます面白くなってきたので、ちょっと長かったけど読んだ。
・その中での、笹原博士の講演の中に、この「堽内」の話が出てきていた・・・
・そこのところだけの要旨は・・・(私の勝手な理解ですので、正確・詳細には上記講演録をご覧ください)
①中国の古典や漢和辞典だけ調べても「日本の漢字は理解できないものがある」
②中国の古典の中でも歴史の変遷の中で偏旁冠脚が異なって(誤って)使われ、そのまま定着しているものもある。
③漢和辞典にもそれぞれ特色があって、俗言などを取り入れていない辞典などもある
等のことから、日本の漢字・熟語は色々な角度から、調査・研究・理解する必要がある・・・というもの。
・その中で一例として「堽内(ひさぎうち)」の話が出てきて、
①大分県に「堽内(ひさぎうち) 」という地名がある。
②「手」へんが「土」へんになることは(中国の漢字の歴史の中でも)よくある
③「四」と「日」の混同・変化もよくある
④ ②と③から、本来「提内」だったのが「堽内」になった可能性がある
⑤しかし、「提」は「ひさげ、ひっさげる」とは読めるが、「ひさぎ」という読みはどこから来たかという問題が残る・・・
⑥大分の言語・話ことばなどを調査すると、大分地方では「ひっさげる」は「ひっさぎゅう」と発音する・・・ここから「ひさぎ」となったのではないか。
・結論として、
中国古典や漢和辞典だけでなく、日本の漢字・熟語などを理解するためには、日本の(地方や過去の)言語や話ことばも含めて調査・研究しなければならない。
というお話のようでした。
・古代関連の話とはだいぶ趣きが異なってしまったけど、これはこれで、面白い話でした。ただ、ま、一つの説として承っておいて、まだ、古代との関連をあきらめたわけではありませんが(^^;)しかし、これ以上の探索はできそうにないので、とりあえずは、本件、放置しておく。そのうち、また、新しい発見があるかもしれない・・・。
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