気がつけば思い出Ⅱ

日々の忙しさの中でフッと気がついた時はもう
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どんぐりをお題にした母の句~戻れぬ坂

2020年10月26日 | 伊代の俳句

どんぐりや戻れぬ坂を振り返る

どんぐりは もう里山には戻れないと

転がってきた坂を振り返ってみている(私のように)

季語はどんぐり:秋(晩秋)

母からみれば、どんぐりは自分、戻れぬ坂は過去、里山は実家。

これは、母らしい句のような気がしたので、こんな風に詠ったのではと解釈してみた。

今の自分にも通じる句かもしれない。

どんぐりは、里山に生えるブナ科の樹木(樫など)の実で、馴染み深く(どんぐりころころ)は誰でも知っている歌。

古くから俳句のお題にもなっていた。

  団栗の寝ん寝んころりころりかな 小林一茶 などがある。

どちらにもコロコロと転がるイメージがあるどんぐり、

漢字で書くと団栗。団はまるいという意味なので(まるい栗)ということになる。

木の下に落ちたままだと、どんなに多く落ちても病気(日当たりが悪いため)や虫、はては鳥など(人も食せる)のため生き残るのが大変で、

あの形状は転がるためにあり、できるだけ遠くに転がって行き、辿り着いたところで種となって芽を出す為なのだそうだ。

どんぐりころころの歌詞(青木存義)は小学校の音楽教科書に採用されているのでみな周知だと思うけれど、

いろいろ調べているうちに(幻の3番)があった。この3番、私は知らなかった。

(作曲:岩河三郎/1986年(昭和61年)/三部合唱用に編曲の際に付け足したもの)※Wikipediaより

どんぐりころころ 泣いていたら

仲良しこりすが とんできて

落ち葉🍂にくるんで おんぶして

急いでお山に連れってった

これだとお山に戻れる?。

なんてリスさんの優しいこと。

1番にお池にはまってさあたいへん・・・というのがあるけれど、お池にはまってなければ(あり)かもしれない。

過去には戻れないとしても、リスさんがいれば里山には帰れるはずだ。

でもリスってどんぐりを食べるのでは?(童謡なのでこの考えは無粋かな?)

何だか3番の出現でちょっとわけが分からなくなってきた。

では母の句は 

多分、母さんは3番目の歌詞を知らなかったでしょう。

でも、もしリスさんに連れて帰ってもらったとしても、

里山に母さんはもう居ないのですから、やっぱり最初の解釈で良かったのですよね。 

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