地ならしの下や蕾の月見草
季語:月見草(つきみさう)待宵草(まつよひぐさ):夏
※俳句歳時記:アカバナ科の二年草で、夏の夕方、葉腋(ようえきとは枝の付け根)に直径3センチの白い四遍弁花を開き、翌朝しぼむと赤変する。
北米原産。嘉永年間に渡来し観賞用に栽培されたが、あまり見られなくなった。直立した茎は高さ60センチほど。
一般に黄色い花を開く待宵草・大待宵草を月見草と呼んでいる。
作品の背景:毎年、月見草(待宵草)の咲いている隣家の畑に家が建つことになり、地ならしが始まった。
明日咲くだろうと思われる蕾を持った月見草が土の下に埋もれてしまう。とても惜しい。
提出した句:【地ならしの下に明日咲く月見草】
先生の添削:細かなところにまで目を配った素敵な句ですね。観察眼が光ります。
ただ、「明日咲く」がやや説明的でしょうか。そこで「蕾の」としました。
また、「に」が散文的なので切字の「や」を用いて一呼吸置かせました。こちらの方がより詩らしくなります。
お隣のものは~多分大待宵草(オオマツヨイグサ)です。ずうっと、月見草だと思っていました。
月見草とは白い花で、夜に咲くことで「月見草」という名前で呼ばれるようになりましたが、
今ではほとんど姿を消してしまい、黄色い待宵草が月見草という名前で呼ばれているようです。
太宰治の「富嶽百景」で「富士には月見草がよく似合うふ。」という文面がありますが、これは(オオマツヨイグサ)ではないかとされています。
句を詠んだ見出しの写真はちょうど一カ月ほど前に撮ったものです。
最近、地ならしも終わり、いよいよ施工が始まって建設会社の囲いができました。
でも工事の人も咲き続けている花を抜くのに忍びなかったのか?端の方の月見草だけ残してありました。