気がつけば思い出Ⅱ

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はじめての俳句🖊32~木の葉髪

2021年11月17日 | 喜代の俳句

※natuto10さん/写真AC

夫(つま)のゆく後ろ姿や木の葉髪

季語:木の葉髪(冬)

※俳句歳時記:【木の葉髪】冬の抜け毛を落葉にたとえていうことで、「十月の木の葉髪」などとも言われる。

人間の頭髪が、特別、初冬に多く抜け落ちることはないのだが、木の葉の落ちるころにはそれを意識することが多く、冬の季節感とあいまって侘しさを感じる。

作品の背景:何十年も夫を送り出し、後ろ姿を見ているけれど、最近夫の髪が日に日に薄くなってきた。

俳句に「木の葉髪」という季語があるのを知って、こういうことかと思い詠ってみた。

提出した句:【夫(つま)の出る後ろ姿や木の葉髪】

先生の添削:「木の葉髪」が冬の季語ですね。旦那様への視線が感じられ、お二人の時間の流れが表現されているようにも思いました。

「出る」と言う言葉が、やや直接的な言葉となってしまっていますので「ゆく」というやわらかい表現でまとめてみてはいかがでしょう。

【夫(つま)のゆく後ろ姿や木の葉髪】

夫の「出社する」後ろ姿をイメージしたので「出る」としたけれど、なるほど「ゆく」のほうがやわらかな句となった。

《夫/妻(つま)とは、端(つま)の意。夫婦や恋人が、互いに相手を呼ぶ称。※goo国語辞書》

             

出社する夫への、ナラの後追いが凄かった。

最初のうちはバスに乗るところまで一緒に連れて行った。でも夫の乗ったバスと並行して走る。

何しろラブラドールは30キロほどある犬なので、一緒に走っている私の方が転びかねない。

そこで、玄関からずーっと見えなくなるまで(三軒先辺りから右に曲がると見えなくなる)見送ることにした。

そのうち見えなくなると諦めることを覚えた。それが15年続いた。

そのせいで、ナラが亡くなっても何故か今でも夫を見送っている。手を振ったりして。

歳とった妻が歳とった夫の出社を手を振って見送るって、傍目には(ご近所には)どう映っているのだろう。

ナラの居た生活習慣から抜けきらないだけなのだ・・・が。

 

玄関先のナラの写真は若いまま。

でもナラが居なくなって7年過ぎて、ナラパパの頭は(木の葉髪)で徐々に薄く…それも白いところが多くなった…。

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