昨日紹介したこの本を読了しました。
時間的には楽勝でしたが、最後のページまで読み終えたら目はショボショボ、やはり歳ですね。
誰かが言っていました。良い小説を読むことは美味しいワインを飲むようなもの、、、、、だったかなぁ?
ワインそれとも日本酒?美味しい料理だったかも?忘れてしまいましたが、とにかく幸せな時間を過ごすことが出来ました。
この本は世界的な登山家田部井淳子をモデルに書かれた小説です。
ノンフィクションですから架空の人物も登場します。しかし、多くは史実ではないかと思いながら読みました。田部井淳子はタカ長と同じ昭和14年生まれ。そのため社会的な背景は理解できました。
たとえば、1956年5月9日に日本隊がマナスル初登頂に成功し、空前の登山ブームが起こったこと。その初登頂は映画で公開され、タカ長も見に行ったことをハッキリと記憶しています。
タカ長もその登山ブームに乗って山歩きを始めた一人です。
言うまでもないことですが、世界的な登山家田部井淳子とタカ長の間には、「月とスッポン」、、、、、ではなくて「太陽とスッポン」くらいの差があります。しかし、同じ時代に山を楽しんだものとして共感できることもありました。
世界的な登山家も藪山登山者もその根っこのところは同じようなモノかも分かりません。でも、田部井淳子の凄さには手も足も出ないと思ったことも色々ありました。
たとえば、おそらく史実だと思いますが、父が急死して憔悴している母の懇願をふり払って帰京する淳子。タカ長にはそのような強さはありません。
好きな登山のためとは言え、このような娘を家に残して何カ月も山に出かける強さはタカ長たち夫婦にはありません。
だから、タカ長たちは藪山登山者のままで、淳子は世界的な登山家。
登山をめぐる環境も大きく変わりました。機材面も進歩してすべてが軽くなりました。
1年に1登山隊と言われていたエベレスト登山ですが、今では年間数百人が登頂出来るようになりました。登頂出来る日は限られるので、登山できる日には長蛇の列。そのような写真を見ました。
しかし、この時代は機材面だけでも大変、エベレスト登山の裏話のようなことも分かる良い本です。600ページを超える本をひと言で要約できません。
と言うことですから、是非とも読んで下さい。特に山好きな人におすすめの本です。
長女の部屋に残されていたこの本を読むことでたどり着いた本ですが、いい本を残してくれたと長女に感謝したい気持ちです。
そして、、、、、今でもその気になれば600ページの本を読み切ることが出来ることも分かりました。
歳をとっても読書は大切、それを体現できたことが最高の収穫です。