明日の礼拝説教のダイジェスト
創世記5:1-32
■系図の役割
創世記の中には10の系図(経緯・歴史という言葉が使われている箇所も含めて)がある。
それぞれが個々のストーリーの区切りとなっている。
上記の5章はその中でも2番目のものである。
創造の時代からの区切りと言える。
■5:1-8は今までの説教のダイジェストとも言える箇所。
*アダムの創造・・・神に似せて造られた。
*男と女に創造・・・パートナーとしての男女。お互いが助け合うための存在。
*神の祝福・・・祝福を願う神の姿。
蛇(悪魔)は人に神を疑わせた。→ 人は罪を犯した。
間違った神様のイメージの危険性。 罪は多くの良いものを失わせた。(死)
*神の回復・・・カインとアベルを失った後、もうひとりの息子セツ(備える、定めるの意)を備える。
*神の下さる武器・・・エノシュ(病弱な、死ぬべきの意)の時代、主の御名によって祈り始める。
■人名に込められた意味
*メトシェラ(彼の死がもたらす):彼の死んだ年に大洪水が起こっている。
「メトシェラはレメクを生んで後782年生きて」(5:26)
「レメクは182年生きて、ひとりの男の子(ノア)を生んだ」(5:28)
「ノアの生涯の第六百年目の・・・」(7:11)
メトシェラ(彼の死がもたらす)は、大洪水を予期していたように名付けられていた。
*エノク(育て上げる、訓練する→弟子とする):「神とともに歩んだ」(5:22,24)
一説には黙示録に登場する二人の証人の一人ではと言われている。(ただし諸説あり)
さらにここの系図に登場する全員の名前を並べてみると、興味深い。
アダム:人
セツ:定められた、決められた、備えられた
エノシュ:死ぬべき、病弱な
ケナン:住まい、所有、支配された
マハラルエル:栄光の神、ほめたたえられるべき神
エレデ:降りてくる
エノク:弟子にする、育て上げる、訓練する
メトシェラ:彼の死がもたらす
レメク:捕虜、囚人
ノア:慰め、休息する
これをあえて一つの文章にまとめると、キリストの贖いを暗示しているようにも受け留められる。
「人は死に支配されると定められた。栄光の神は弟子とするために降りてくる。彼の死は捕虜に慰めをもたらす。」
(個々の単語の訳し方によって多少文意も変わってくるかもしれないが・・・)
聖書の系図がいつもこのような形でメッセージを示すとは限らないし、むしろこれは正統的な解釈とは言えないかもしれない。
しかし、一つの説明としては興味深いと思う。
上の系図の解釈の是非はともかくとして、聖書は神様が人間の歴史の中に介入していらっしゃることを明らかにしている。
それも、背いていく人間の悪や罪を自ら尻拭いする形で。
聖書の用語を使えば、「贖い」の神である。
聖書が示す歴史は、神の贖いの歴史である。
聖書が示す歴史は、人類がいかに発展したかという視点ではなく、神がいかに人に近づき、救おうとされてきたかという視点である。
神様は歴史を通じて常に救いの神である。
それは今日も変わらない。
聖書の示すこのお方は、あなたや私を救う神でもあられる。