4月14日のNHKあさイチ(AM8時15分~9時54分)は「本音で語る!不妊治療」というテーマでした。
現在の不妊治療の話から制度、環境など多方面にわたるお話でした。
一部を書き起こしておきたいと思います。
司 会:井ノ原快彦さん
有働由美子さん
ゲスト:ダイヤモンド☆ユカイさん
益子直美さん
●32人に1人 年間32000人
→2011年体外受精で産まれた子供の数
およそ1クラスに1人体外受精で誕生していることになる
●体外受精 年間27万件
●助成金の年齢制限
1回30万円を超える体外受精には保険が効かず、国から補助として15万円
今月(4月)から制度が変わった
↓
2年間の経過措置のあと、助成金が出るのは42歳までとなった。
●男性が原因の可能性もある不妊症も多い
●主な不妊治療
(1)タイミング法:妻の排卵日に合わせて夫婦関係をもつ
(2)人工授精(1~3万円):夫からとり出した精子を妻の子宮に入れる
(3)体外受精(30~60万円):とり出した卵子と精子をからだの外で受精卵にしてから子宮に戻す
(2)と(3)は保険が効かない
(3)は夫婦合わせた所得が年間730万円未満の場合、国から助成を受けられる(但し、2年後から年齢制限開始。42歳までになる)
【一例】
(1)採卵 147000円
(2)精子調整(媒精) 63000円
(3)培養 21000円
(4)胚移植 73500円
計 304500円
採卵…膣から長い針を入れて卵巣に刺し、卵子を取り出す
媒精…運動性のよい精子を選び卵子にかけて受精を促す
胚移植…受精卵を子宮に戻す
※より高度な技術が必要な『顕微授精』
元気な精子を厳選してとり出し、卵子に針を刺し直接精子を注入する。体外受精の中でも確率が高い
●40歳の体外授精成功率 → 8.06%
●変わる不妊治療の助成金
・42歳まで
・初回40歳未満→助成を受けられる回数⇒6回まで
40~42歳→ ⇒3回まで
(今までは「通算10回まで」だった)
・1回15万円(夫婦所得730万円未満)
今月から初回40歳未満の人に関してはこの制度に移行される。
今43歳の人は旧制度のまま。2年後に「42歳まで」となる。
●日本生殖医学会理事長 吉村泰典氏
Q:なぜ42歳で区切られたのか
A:
(1)妊娠・出産のリスク 40歳以上だとリスクが高くなる
・妊娠率が低くなる
・赤ちゃんをおうちに連れて帰れる割合が低くなる
(2)国費(税金)であるということ
経済面の問題だけでなく、リスクのない安心安全な妊娠・出産をしていただくことをわかってもらうためにも。
●体外受精の年齢別成功率
↓
35歳を境に激減。43歳では2.3%
生殖年齢といわれる20~35歳では15~20%
若いうちから教えるべき。この「生殖年齢」のこと。女性にも男性にも。
●ユカイ
「不妊治療をやって結果が出なかったときそれだけになってしまう(そのことばかり考えてしまう)。そうすると益々ストレスとかそういうのを抱えて。。ストレスがまず第一に出てきてしまう。一番よくないことだった」
●吉村
「長期化すると二人の関係がギクシャクすることも多々。精神的にも肉体的にもそして金銭的にも大変な状況が続くわけなので定期的に話し合いをすることが非常に大事。『私たちにとって子供は何なのか。どこまで治療するのか』など。温度差は必ず出てくるので」
●番組に寄せられたメール
「病院は混んでいて医師の説明も少なく、薬も副作用もあるので不安だらけです。そういった不安を解消してくれる窓口はないのか」
→NPO法人 Fine(ファイン)
不妊治療をしている人の悩みを聞いてくれる
カウンセリング・グループカウンセリング
●体外受精での妊娠は流産率が高く、多くの母親がようやくできたおなかの子を守りたいと必死の思いでいる。しかし過剰に安静にしてしまうことが精神面で逆効果を及ぼしてしまうので注意。
●吉村
「これまで『体外受精で産まれたから』『顕微授精したから』で奇形が増えるなどのデータはない。安心して大丈夫」
「不妊治療してやっとできた子供だからと過保護になったり完璧な育児をしたいとお思いになる方がいる。こういった場合、産後うつになりやすかったりするケースが普通より多いように思う」
~~~~~~~~~~~~~~~~
うちも含めて多くの鍼灸院では不妊治療を扱っています。
そしてその治療法の多くは刺さっているかいないかわからないくらいのとても浅い鍼で「からだに軽くやさしい治療」です。治療の中で眠ってしまうほど。
「お勤めしながらの不妊治療」であったり「回数を重ねてもなかなか結果がでない」など、不妊治療を続けている方には強い精神的ストレスを抱えている方が多くみられます。これらが悪循環のひとつになっていることもあります。鍼灸治療ではまずこのストレスによる「交感神経過緊張状態」を解いてあげられるような治療を心がけています。交感神経の過剰興奮を抑え、同時に副交感神経を高め、こころとからだを緩ませるひとときを設けます。ところどころで息を抜くことがたいへん大事なことだと臨床を通じて感じています。
よく、「長いあいだ一生懸命治療をしてきて結果が出なかったので、すこしからだを休めてあげよう、おやすみしよう」とご夫婦で話し合い不妊治療をとめたとき、ふと授かったという話を聞いたりします。もしかしてこれも息をぬいたときに交感神経と副交感神経のバランスが整い、からだが妊娠を受け入れる状態になれたのかもしれません(もちろん、薬や注射などで疲れきってしまっていた卵巣を一定期間休ませることで質の良い卵ができたということも考えられます)。
当院では、すでに婦人科での治療を開始していて補助的に鍼灸も行っていきたいといって来院される方がほとんどですが、鍼灸単独での治療を希望する方もいらっしゃいます。ですが婦人科での検査をまったく受けていないというときはまずはきちんと検査を受けることをお勧めしています。検査で妊娠しづらい環境がはっきり見つかることもあるからです。鍼灸での不妊治療は(医師の治療を妨げるほどのからだに負担をかける施術などは一切ありませんので)併行して行うことができます。主治医の先生が「だめだ」と言われたら別ですが。
施術の内容は、手や足のツボに浅い鍼をし、必要に応じておなかや背中にも浅く軽い鍼をしていきます。
最後に頚部の緊張をゆるめる指圧をゆっくりと行い施術終了です(時間にして約40分~60分)。
ホームページの不妊治療支援制度の欄もご覧ください。
【追記】
※この当時はリラクゼーションを中心とした施術を行っていましたが、その後これに子宮や卵巣に働きかける術式を加えるようになりました。(2015.10.2)
現在の不妊治療の話から制度、環境など多方面にわたるお話でした。
一部を書き起こしておきたいと思います。
司 会:井ノ原快彦さん
有働由美子さん
ゲスト:ダイヤモンド☆ユカイさん
益子直美さん
●32人に1人 年間32000人
→2011年体外受精で産まれた子供の数
およそ1クラスに1人体外受精で誕生していることになる
●体外受精 年間27万件
●助成金の年齢制限
1回30万円を超える体外受精には保険が効かず、国から補助として15万円
今月(4月)から制度が変わった
↓
2年間の経過措置のあと、助成金が出るのは42歳までとなった。
●男性が原因の可能性もある不妊症も多い
●主な不妊治療
(1)タイミング法:妻の排卵日に合わせて夫婦関係をもつ
(2)人工授精(1~3万円):夫からとり出した精子を妻の子宮に入れる
(3)体外受精(30~60万円):とり出した卵子と精子をからだの外で受精卵にしてから子宮に戻す
(2)と(3)は保険が効かない
(3)は夫婦合わせた所得が年間730万円未満の場合、国から助成を受けられる(但し、2年後から年齢制限開始。42歳までになる)
【一例】
(1)採卵 147000円
(2)精子調整(媒精) 63000円
(3)培養 21000円
(4)胚移植 73500円
計 304500円
採卵…膣から長い針を入れて卵巣に刺し、卵子を取り出す
媒精…運動性のよい精子を選び卵子にかけて受精を促す
胚移植…受精卵を子宮に戻す
※より高度な技術が必要な『顕微授精』
元気な精子を厳選してとり出し、卵子に針を刺し直接精子を注入する。体外受精の中でも確率が高い
●40歳の体外授精成功率 → 8.06%
●変わる不妊治療の助成金
・42歳まで
・初回40歳未満→助成を受けられる回数⇒6回まで
40~42歳→ ⇒3回まで
(今までは「通算10回まで」だった)
・1回15万円(夫婦所得730万円未満)
今月から初回40歳未満の人に関してはこの制度に移行される。
今43歳の人は旧制度のまま。2年後に「42歳まで」となる。
●日本生殖医学会理事長 吉村泰典氏
Q:なぜ42歳で区切られたのか
A:
(1)妊娠・出産のリスク 40歳以上だとリスクが高くなる
・妊娠率が低くなる
・赤ちゃんをおうちに連れて帰れる割合が低くなる
(2)国費(税金)であるということ
経済面の問題だけでなく、リスクのない安心安全な妊娠・出産をしていただくことをわかってもらうためにも。
●体外受精の年齢別成功率
↓
35歳を境に激減。43歳では2.3%
生殖年齢といわれる20~35歳では15~20%
若いうちから教えるべき。この「生殖年齢」のこと。女性にも男性にも。
●ユカイ
「不妊治療をやって結果が出なかったときそれだけになってしまう(そのことばかり考えてしまう)。そうすると益々ストレスとかそういうのを抱えて。。ストレスがまず第一に出てきてしまう。一番よくないことだった」
●吉村
「長期化すると二人の関係がギクシャクすることも多々。精神的にも肉体的にもそして金銭的にも大変な状況が続くわけなので定期的に話し合いをすることが非常に大事。『私たちにとって子供は何なのか。どこまで治療するのか』など。温度差は必ず出てくるので」
●番組に寄せられたメール
「病院は混んでいて医師の説明も少なく、薬も副作用もあるので不安だらけです。そういった不安を解消してくれる窓口はないのか」
→NPO法人 Fine(ファイン)
不妊治療をしている人の悩みを聞いてくれる
カウンセリング・グループカウンセリング
●体外受精での妊娠は流産率が高く、多くの母親がようやくできたおなかの子を守りたいと必死の思いでいる。しかし過剰に安静にしてしまうことが精神面で逆効果を及ぼしてしまうので注意。
●吉村
「これまで『体外受精で産まれたから』『顕微授精したから』で奇形が増えるなどのデータはない。安心して大丈夫」
「不妊治療してやっとできた子供だからと過保護になったり完璧な育児をしたいとお思いになる方がいる。こういった場合、産後うつになりやすかったりするケースが普通より多いように思う」
~~~~~~~~~~~~~~~~
うちも含めて多くの鍼灸院では不妊治療を扱っています。
そしてその治療法の多くは刺さっているかいないかわからないくらいのとても浅い鍼で「からだに軽くやさしい治療」です。治療の中で眠ってしまうほど。
「お勤めしながらの不妊治療」であったり「回数を重ねてもなかなか結果がでない」など、不妊治療を続けている方には強い精神的ストレスを抱えている方が多くみられます。これらが悪循環のひとつになっていることもあります。鍼灸治療ではまずこのストレスによる「交感神経過緊張状態」を解いてあげられるような治療を心がけています。交感神経の過剰興奮を抑え、同時に副交感神経を高め、こころとからだを緩ませるひとときを設けます。ところどころで息を抜くことがたいへん大事なことだと臨床を通じて感じています。
よく、「長いあいだ一生懸命治療をしてきて結果が出なかったので、すこしからだを休めてあげよう、おやすみしよう」とご夫婦で話し合い不妊治療をとめたとき、ふと授かったという話を聞いたりします。もしかしてこれも息をぬいたときに交感神経と副交感神経のバランスが整い、からだが妊娠を受け入れる状態になれたのかもしれません(もちろん、薬や注射などで疲れきってしまっていた卵巣を一定期間休ませることで質の良い卵ができたということも考えられます)。
当院では、すでに婦人科での治療を開始していて補助的に鍼灸も行っていきたいといって来院される方がほとんどですが、鍼灸単独での治療を希望する方もいらっしゃいます。ですが婦人科での検査をまったく受けていないというときはまずはきちんと検査を受けることをお勧めしています。検査で妊娠しづらい環境がはっきり見つかることもあるからです。鍼灸での不妊治療は(医師の治療を妨げるほどのからだに負担をかける施術などは一切ありませんので)併行して行うことができます。主治医の先生が「だめだ」と言われたら別ですが。
施術の内容は、手や足のツボに浅い鍼をし、必要に応じておなかや背中にも浅く軽い鍼をしていきます。
最後に頚部の緊張をゆるめる指圧をゆっくりと行い施術終了です(時間にして約40分~60分)。
ホームページの不妊治療支援制度の欄もご覧ください。
【追記】
※この当時はリラクゼーションを中心とした施術を行っていましたが、その後これに子宮や卵巣に働きかける術式を加えるようになりました。(2015.10.2)