無名会2月 2012年3月13日発行
今年はことのほか春が遅いですね。
梅の花など、少しいじけて咲いている感じです。
そんな花を見るのはかわいそうですね。
そこで今回は山の雪景色をお届けします。
八方尾根にて
二十韻「多摩川渡る」の巻
春立つや多摩川渡る風明し 統一 初春
幼児あそぶ土匂ふ頃 明子 三春
裏庭の蟇穴出づと声のして 祐 仲春
試運転する蒸気機関車 直子
ウ
半夏生ぽっかり浮かぶ昼の月 薫 仲夏
行水使う肌に魅せられ 一 晩夏
なりゆきで思い通りにゴ一ルイン 明
新居の隣りゴミ捨て場にて 祐
見てみたいふわふわと飛ぶ放射能 直
渚たたづむ故里の町 薫
ナオ
名物の鮟鱇鍋をふるまわれ 一 三冬
石の坂道聖燭祭の灯 明 晩冬
年下に挑発しきり着飾りて 祐
追って行きます霧のロンドン 直 三秋
月見酒一姫二太郎爺と婆 一 仲秋
運動会の借り物競走 薫 三秋
ナウ
沖縄はトップの椅子の定まらず 明
こんなところで呼ばれて困る 祐
絵手紙をはみだして描く花吹雪 直 晩春
蜜蜂の舞う北の温室 薫 三春
2012年2月4日(立春の日に)首尾 関戸公民館 創作室
秋田県 田沢湖高原にて
二十韻「立春の富士」
立春の富士すっぽりと大玻璃戸 古賀直子
リフト止めたるフェーン現象 玉木 祐
親の笑み入園式はなごやかに 藤尾 薫
末は博士か大臣は昔 坂本統一
ウ
雪見酒配所の庭に仰ぐ月 星 明子
八丈島におしどり訪れ 統一
舟べりに海女を見守る夫の居て 薫
採用試験縁故限定 明子
モモが来て時間戻して欲しい夜 祐
夢がふくらむ手品師の箱 直子
ナオ
騙し絵に薄翅蜉蝣入り込む 祐
金魚すくいに尼さんも出て 薫
雨だれにショパンの恋を恋渡る 祐
名残の蚊帳が広すぎるのよ 直子
月のぼる嫁に食わすな秋茄子 祐
雲井の雁の掛け軸の賛 薫
ナウ
挙手をして最終便の発車ベル 明子
晩節なれどスリル満点 直子
咲くよりも花のきわみは花吹雪 統一
放牧の丘若駒を駆る 統一
2012年2月4日首尾 於関戸公民館創作室
志賀高原 熊の湯にて
それでも、もう春の装いをしてる花も有るんですよね。
早春の花々