京都市美術館で開催されている『マグリット展』に日曜日行ってきました。
祇園祭が終わり、さあ行こうとした矢先、突然の除湿機故障で展示中止となりました。
やっと修理が終わり、再開をホームページで確認してでかけてきました。
京都市美術館では『ルーブル展』と『マグリット展』が同時開催されています。


マグリットは超現実的な絵を描いた、20世紀の巨匠です。

今回の展示会は、マグリットの作品130点が展示されています。
画像は日曜美術館アートシーン、展示会でいただいた資料です。
1897年ベルギーに生まれたマグリットは、美術学校を卒業後画家の道をめざします。
初期の作品にはアールデコなど当時の新しい動向に目を向けていました。
水浴の女(1925)

マグリットをシュルレアリズムに向かわせたのは、その先駆者ジョルジュ・デ・キリコとの出会いです。
その影響を受けて、独自のシュルレアリズムに挑戦した作品
「困難な航海」(1926)
室内の不思議なオブジェ

「一夜の博物館」(1927)
異質で無関係なものの組み合わせです。

「新聞を読む男」(1928)

「恋人たち」(1928)

「永遠の明証」(1930)
妻をモデルにした作品です。女性の体を分割して描いています。
大きな反響を得た作品であり、マグリットのシュルレアリズムの完成とも言えます。

「凌辱」(1934)
奇っ怪な女性像

「透視」(1936)

「野の鍵」(1936)京都は展示なし

「炎の帰還」(1943)
第二次世界大戦、マグリットの祖国ベルギーも戦火に見舞われました。
この時期はマグリットの絵にも大きな変化が見られます。
強い色彩と荒いタッチ、戦争に対する怒りの感情を表現しています。

「ゴルゴンダ」(1953)
ただじっと空中に浮かぶ紳士たち

「赤いモデル」(1953)

戦後の作品には岩や石をモチーフにした作品が多く描かれています。
石の時代とも言われました。
そこには世界の構造や前提が変容したイメージです。
「現実の感覚」(1963)

「白紙委任状」(1965)
マグリットのテーマのひとつ、見えるものと見えないものの関係を描いた作品
木の繁みと女性が前後入れ替わった不思議な作品

「上流社会」(1965-66)

「大家族」(1963)
暗い空に飛び立とうとする大きな鳥
しかし、鳥の中は美しい青空です。

マグリット、不思議な画家です。
彼の作品の前に立つと、ふだん見慣れた景色がことごとく裏切られたような錯覚におちいります。
アールデコ、シュルレアリズム、印象派のような作品、不思議な魅力がある画家です。