京都の町屋シリーズがスタートしたのは昨年の7月30日、もう1年経過しました。
京都の町屋は残念ながら年々減少し続け、このままでは京都ならではの景観が失われてしまいます。
そういう危機感から現在残されている町屋を記録しておきたいと思い、少しずつ町屋めぐりをしてきました。
以来、上京区1(16回、114軒)、中京区(44回、314軒)、下京区(45回、311回)と投稿してきましたが、コロナウィルス感染拡大の4月以降は中断状況にあります。
そこで、再度奮起して徐々にではありますが、再開することにしました。
今回の投稿で、下京区の町屋は最終回(第46回)になります。
薮内家
西本願寺の西方約300m、西洞院通りに面して目立つ邸宅です。
薮内家は茶道流派の一つで、武野紹鴎門下で千利休の弟弟子にあたる剣仲紹智を祖とする茶道家元です。
当初の藪内家の住まいはまだ現在の地でなく、西洞院正面に移ったのは、二代月心軒が代を継いで13年後の寛永17年2月(1640)です。
現在十四代を数え、四百余年の歴史を伝えています。
表門や高塀は古田織部の堀川屋敷から移したものと伝えられ、武家風な格式を漂わせています。
門の柱には太い皮付き丸太が使われ、黒壁には杢板の腰板を縦張りにしています。
格子、犬矢来、駒寄など意匠が素晴らしいです。
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皮付きの門柱は私は初めて見ました。
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川勝法衣
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原*公認会計士
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梶*家
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小野五色豆
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冨*家
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初邸
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射*家
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大嶋雁金屋
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若狭屋久茂老舗
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下京区の後は軒数は少なくなりますが、東山区、左京区、右京区、北区と続く予定です。
京町屋外観の特徴
屋根一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。
ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。
駒寄
家と道との境界に巡らされた格子の垣。元は牛馬をつなぐためのものでした。
意匠もさまざま、栗や欅などの硬い木が使われることもあります。
鍾馗
厄除けの瓦人形は京町屋の屋根の象徴です。