京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

京町屋 東山(5)三味洪庵、近隣町屋、小川治兵衛邸、画廊えんじゅ邸、大西漆器店、茶懐席辻留

2020-08-26 17:07:58 | 京都の町 町屋・建造物


 本日の京都市の最高気温は36.0度の猛暑でした。
とは言え、先日まで続いた38度台と比べるといくぶんましです。
明日からの天気は下り坂で、曇り空が続くようです。

京都の町屋、東山区第5回です。

三味洪庵
歴史的風致形成建造物
東山区 三条通北裏白川筋西入石泉院町393番2,392番1















創業文久元年、1861年です。










近隣町屋O邸
















ばったり床几ならぬベンチ





小川治兵衛邸





O邸S邸





三条通りにもわずかに残っています。

画廊えんじゅ邸





大西漆器店





茶懐席辻留






京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。






今宮神社の織姫神社と阿呆賢さん、大徳寺孤篷庵

2020-08-26 06:00:52 | 2020 花


大徳寺近くの今宮神社です。
 平安時代の944年創建、都の悪疫退散を祈り、紫野御霊会を営んだのが今宮神社の起りとされています。
今回は織姫神社(今宮神社末社)と隠れた人気スポット阿呆賢さんを紹介します。

楼門









織姫神社(今宮神社末社)
 境内の西側に建つ織姫神社は、織物の始祖といわれる栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)を氏子の西陣織業者が勧請した神社で、社殿の前両側の献灯は織物を織る際に使われる杼(ひ)がかたどられています。
 織物の神様として西陣の織物関係業者の人達の信仰を集めています。
また栲幡千千姫命は技芸の神様としてもあがめられていて、技芸上達を願う人達のお参りも多いようです。
栲幡千千姫命は、七夕伝説に登場する織姫に機織(はたおり)を教えたと伝えられています。










阿呆賢さん
隠れた人気スポットで、石の重さで願い事が叶うかどうかを占うことができます。
重軽石とも呼ばれ、石を手の平で軽く三度たたいて持ち上げ後、願い事を込めて手の平で三度なでて持ち上げ、軽くなっていれば願いが成就すると伝えられています。













 今宮神社は毎年4月第二日曜日は京の三大奇祭の一つやすらい祭が有名です。
春は疫病が流行することから、桜の花びらが飛び散る様子が疫病神が飛び回る様子を連想して生まれた疫病退散の神事です。
桜や椿などで飾られた花傘を中心に、赤毛・黒毛の鬼たちの行列が、お囃子に合わせて踊り歩きます。
この花傘の下に入ると疫病から守られ、一年間健康に過ごせるとの信仰が長く続いています。

やすらい祭画像(ネットより借用)







現在の社殿は1902年(明治35)の再建です。





拝殿





本殿





絵馬舎





桂昌院と今宮神社の関係
 桂昌院は1628年西陣で八百屋の次女で生まれ、名を玉といった。
公家二条家に出入りの本庄宗利の娘となり、関白家鷹司孝子に仕えたが、孝子が将軍家光に入嫁するのに伴い、江戸城に入り大奥で仕える。
やがて春日局に認められ、家光の側室となり、後に五代将軍綱吉の生母となる。
桂昌院は生涯神仏への信仰が厚く、とりわけ西陣の産土の神の今宮社が荒れているのを嘆き、元禄71年(1694)から時の奉行に命じて社殿を造営、神領を寄進する。それで今宮神社の神領が一新した。
 また途絶えていた「やすらい祭」を復活させ、「今宮祭」には御牛車、鉾などを寄進、大いに復興に務めた。
神社中興の祖と讃えられている。






参道のあぶりもち屋
 一軒は創業400年の「あぶり餅」の老舗かざりや、向かいに建つ一文字屋は平安時代から続く創業1000年の日本最古の和菓子屋です。
二軒ともあぶり餅だけを売っています。

かざり屋









一文字屋









大徳寺





大徳寺孤篷庵
国宝 井戸茶碗 銘・喜左衛門
重要文化財 本堂(方丈)、書院および忘筌(3棟)、大燈国師(宗峰妙超)墨蹟
史跡・名勝 孤篷庵庭園