京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

京町屋 東山(1)伊藤喜商店、近隣町屋、子育て飴屋、菱六もやし、旧河井寬次郎邸、諏訪蘇山、香取屋

2020-08-19 18:02:46 | 京都の町 町屋・建造物


 京都の町屋シリーズも今回から東山区に入ります。
東山区は東西を東山連峰と鴨川に挟まれ,北は概ね三条通,南は十条通から稲荷山北麓付近を区域としています。
 区の東部は森林地域,西部は住宅地域,北部の東大路通と鴨川の間は商業地域,南部の鴨川沿いは準工業地域というように多彩な地域特色を有しています。
 世界文化遺産の清水寺をはじめとする有名社寺や史跡,名勝のほか,国宝,重要文化財等が多く、また産寧坂地区や祇園新橋地区は,伝統的建造物群保存地区に指定されるなど、歴史を経た美しい町並みが保存されています。
四季を通じて多くの観光客が訪れています。
 一方京都市11行政区の中では、人口は11区中最も少なく、65歳以上の高齢者比率は11区中最も高くなっています。
五条坂から泉涌寺付近を中心に作られる京焼・清水焼は,美術・工芸的な評価が高く,京扇子や京漆器等とともに,京都の伝統産業として全国に知られています。
 市内の代表的な花街である祇園や宮川町では,しっとりと華やいだ雰囲気の中,伝統文化や伝統芸能が継承され,毎年「都をどり」や「京おどり」,「祇園をどり」が開催されます。


伊藤喜商店旧店舗兼主屋
登録有形文化財
東山区松原通大和大路東入
大正/1926頃/2007改修 木造2階建、瓦葺、建築面積145㎡、塀付
松原通に北面して建つ木造2階建の平入町家で醤油を商いました。
間口5間半、切妻屋根を桟瓦葺とし、銅板葺庇がつき、後に風呂と便所があります。
正面1階は戸口の両側窓に円形断面の格子を入れ、腰を石貼とし、2階は格子窓。大正期の大型町家の好例です。










近隣町屋





子育て飴屋 
ゲゲゲの鬼太郎のモデルになった飴




















六波羅蜜寺





菱六もやし










河井寬次郎記念館(旧河井寬次郎邸)
登録有形文化財、景観重要建造物、歴史的意匠建造物
東山区馬町通大和大路東入
昭和前/1937 木造2階建、瓦葺、建築面積148㎡
陶芸家河井寛次郎の居宅兼工房として建設、寛次郎自身の設計と伝えられています。
主屋は寄棟造妻入で出桁造の建築に千本格子や矢来など京都の町家の意匠を取り入れ、囲炉裏付の板敷広間の空間構成や古色仕上げの材、漆塗りの建具などに独自の住宅観や美意識を示しています。

















諏訪蘇山
歴史的意匠建造物
渋谷通大和大路東入














近隣




















香取屋
歴史的意匠建造物
祇園町














京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。










事前予約制の無鄰庵

2020-08-19 06:03:17 | 京都めぐり


 久しぶりの無鄰庵、今年1月以来です。
中国武漢から広がった新型コロナウィルスにより、日本でも緊急事態宣言が発令され、無鄰庵も見学中止となりました。
緊急事態宣言解除(5/25)以降は、1時間帯(9時~17時)15名上限の事前予約制になりました。
 前日夜、翌日の空き時間帯を確認して予約しました。










今までは小さな潜り門から庭園に入ったのですが、母屋玄関に変更です。






中庭






広間










広間から見る庭園














ホオズキ

















庭園に出ます。













草ボケの実





母屋







































一部紅葉













茶室





母屋












無鄰庵を出て、瓢亭