毎年ハイキングに好適な今頃になると、川の土堤や草原などで、一面に広がるチガヤの白い穂が風に波打っている光景を目にする。古く万葉の時代には「チ」と呼ばれていたらしい。この穂をツバナと呼ぶ。
イネ科チガヤ属の国内ただ一種の植物で、日当たりの良い場所に好んで生えるから、農村地帯の草刈りを頻繁にしている一帯に広く群生する。川の堤も常に刈り込まれているので群生地になる。
同じイネ科のススキよりも草丈が低
く、ススキやセイタカアワダチソウが優越するとチガヤは消滅する。 穂の綿でタネを遠くまで飛ばすから、別の適地で繁殖を続け、絶滅の心配はなさそうだ。
チガヤの穂波、私には田植えに劣らない初夏の風物詩である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます