道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

リス

2009年01月09日 | 自然観察

散歩コースの公園で見かけるリスは、タイワンリスらしいのだが、年明けに確かめたら10数匹ほど棲息しているようだった。詳しく調べれば、この丘全体では、もっと多数居るかも知れない。
Dscn0060trim_3高い裸木の梢で丸くなっていたり、
枝にべったり張り付いていたり、闊葉樹の葉陰に蹲まっていたりと、彼等は身を隠すことに巧で、動かなければそれと気づかない。人が近づいて注視すると、落ち着かないのか枝を伝って素早く身を隠す。望遠カメラでその姿を追うのは容易でない。

この公園の丘でリスが目につくようになったのは、ここ2、3年のこと。亡くなった愛犬を此処の広場で遊ばせていた当時は、姿を見かけることはなかった。

 

散策する人の目を楽しませてくれる可愛い少動物だが、喜んでばかりはいられない事情もある。

Dscn0062

外来のタイワンリスが各地で繁殖し、在来の二ホンリスの生存を圧迫しているらしい。それで、彼等は日本の生態系を損なうおそれのある、特定外来生物に指定されているという。

このリスの仲間は、東アジアの亜熱帯から温帯にかけて広く棲息しているようだ。日本列島の気候温暖化は、タイワンリスにとっては好ましいことで、繁殖は盛んになる一方だろう。

鎌倉ではこのリスが殖え過ぎ、電線を囓ったり人家に出没して被害を与え問題になっているとか。リスには何の罪もないのだが、数がむやみに増えれば、我々人間の生活にとって目に余ることも生じる。

ある生物種の異常な繁殖または減少も、原因の大方は人間にあるのだが、事態に気付き、将来を危惧して駆除や保護に奔るのも人間。当の生物種にとっては、人間に因るマッチポンプみたいなもので、駆除であれ保護であれ、彼等が不自然な環境で生きなければならないことに変わりはない。

 

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