道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

個人崇拝の抑制

2022年09月03日 | 随想
何事によらず、あるひとりの人間に、同じ人間のひとりである別の人が傾倒するのは、自我の喪失にあたり、その人の大切な主体性を失う因である。心酔は醒めた自分を失った状態である。人は自己を喪失してはいけない。熱狂や感激、融和や同調、教化や指導に捕捉されることなく、自分を冷静に保つ必要がある。その意味で、生存であれ故人であれ、ある個人を神格化し崇拝する宗教というものには、注意を要する。人に感化され易く心酔し . . . 本文を読む
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仕舞家

2022年09月01日 | 人文考察
私は下町育ちなので、下町をぶらぶら歩くことが、自然の野山を歩くこと同様に楽しい。何か発見がある。生まれ育った街並みの、商店街や大路小路を巡り、今は無い建築物や建造物を頭の中で復元して歩くのは、懐かしい時代に束の間戻ることである。想い起こした時々の情景こそが故郷である。今日、どこの都市の下町を歩いても、仕舞家(しもたや/しもうたや:商売を営まない住家)が目立つ。代を累ねて商いをしている店は少なくなっ . . . 本文を読む
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