てんちゃんのビックリ箱

~ 想いを沈め、それを掘り起こし、それを磨き、あらためて気づき驚く ブログってビックリ箱です ~ 

金色のカエル (後半)

2017-09-02 09:20:03 | ひとり語り

 
 金色のカエルの近くにいると安全だとわかると、今度は回りから動物が集まってきました。彼はとっても幸せでした。
 そして彼は動物達を守るため、争いの場に行って、時々自分の身を光らせました。
 しかし、少しずつ身体が硬くなっているのではと感じました。


 宇宙飛行士が、宇宙ステーションから地球を観察していると、ジャングルで不思議な光が、ときどき瞬くのに気がつきました。 
 人間が起こす光でも、雷でもありません。
 探検隊を送って、調べることになりました。

 探検隊は、ジャングルに住む人から、金色のカエルの話を聞きつけました。
 そして、調査のため、周辺のカエルも全部捕まえようと、たくさんの罠を仕掛け、追いかけまわしました。

 仲間のカエルがどんどん捕まってゆきます。

 人間が追いかけている間は、光ることで容易に逃げおおせていました。
 しかし、人間はロボットを繰り出してきたため、その効果はなくなっていきました。


 金色のカエルは、皆とともに逃げまわっていましたが、ついには狭い谷に追いつめられました。
 そこでは、金色のカエルを真中に、木々、地面、岩にぎっしりとカエルがひしめき、ぶるぶると震えています。
 10万匹、いや100万匹もいるでしょうか。

 地面を這いまわるムカデ型のロボット、大きな口を開けながら川を泳ぐナマズ型のロボットが、少しずつ包囲の輪を狭めて行きます。
 そして空から、大きな網を広げたヘリコプタ型のロボットが、轟音とともに降りてきました。


「みんなを守らなければ」 

 周辺のみんなの頂点に達した恐怖が、一気に押し寄せてきたので、金色のカエルは、一瞬にして太陽の温度に達し、ものすごい光をピカーーーーッと放ちました。


 ロボットたちがこわれました。

 光はジャングルの外まで、そして宇宙まで達し、そこでロボットを動かしていた人間たちも、眼がしばらく見えなくなりました。

 
 光る前にパッと眼を閉じていたすべてのカエルたちは、周辺へと逃げ出すことができました。
 しかし、金色のカエルは燃えつきて、輝く小さなカエルの形のペンダントに変わり、そのままポツンと、壊れたロボットたちの中に残されました。


「金色の生きたカエルのマスコットをあげるつもりだったけれども、これでもいいや。」
 若い男の神様は、地表からそのペンダントを広い、女神にプレゼントしました。


 女神がそのペンダントをつけるたびに、左目からなぜか涙がポツリと一粒出て、地球へ落ちてゆきます。

 その涙が乾くまでの間、すべての人々は、生き物に対して優しくなるのでした。

 だけど、君はいつでも生き物にやさしいよね。




<写真は、Musou Jewelry夢窓 氏の作品から引用>
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10 コメント

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Unknown (フルール)
2017-09-02 10:55:10
独創的な展開の物語
楽しませてもらいました♪
金色のカエル
日経新聞の日曜版に載っていたような・・・
記憶ちがいかもしれませんが。
最近みたばかりだったのでちょっと驚きました。
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フルールさん (てんちゃん)
2017-09-02 16:43:49

フルールさん コメントありがとうございます。

2015年くらいに金色の絵カエルが見つかっていますから、日経はその関連かもしれませんね。

 この話は童話仕立てですが、知らない場所の奇妙な生物、遺伝子、宇宙開発、ロボットといった科学技術をストーリーに組み込んだお話を作り、子供にそれらに興味を持ってもらおうと思って作りました。
 小学校高学年だった子供やその友達も、読んで面白いと言ってくれ、その後宇宙開発やロボットなどの話をしました。
 自分で今読んでも古くなっていなくて、あの忙しい時、こんなものが書けたなと驚きます。

 


返信する
素晴らしいお話し (永和 eiwaⅡ です)
2017-09-03 21:18:43
てんちゃん 、こんばんは。

素適なお話しですね。
てんちゃんのブログは独特な形態で素晴らしいです。
行動力もあり、話題が豊富で、つい引き込まれてしまいます。
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永和さん (てんちゃん)
2017-09-04 08:18:10
永和 eiwaⅡさん コメントありがとうございます。
この話は、あの頃のSNS友に引き出されたものでした。
minhanaでも、花の写真の撮り方について皆さんの花を見ることで、どんどん私の可能性も広がりました。
ここgooでも、そんな出会いができることを期待しています。
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なんと! (biyori)
2017-09-05 08:35:50
カエルの世界だけじゃなく、人間やロボットまで登場するのは想像できませんでした!
神様の気まぐれ、人間の興味、仲間と仲良くしたかっただけなのに、
普通の日常こそ大変で大切。

金色のペンダントになって「そして伝説へ。。。」みたいになりましたけど
強くなければ守れないと、つくづく。
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biyoriさん (てんちゃん)
2017-09-06 00:36:59

童話としては、世界を広げる話にしました。
そして中学生に読んでもらった時には、こういった感じでカエルが守られて増えてしまった場合、えさの虫、本来はカエルを食べるはずの蛇はどうなるかといった、環境への影響のついて話し合いました。
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おはようございます^^ (CMonet)
2017-09-09 10:43:13
てんちゃん、おはようございます^^
先日は、拙ブログにお越し頂きありがとうございました。こちらへの、ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。
てんちゃんのブログ、まさに、ビックリ箱ですね、何が出てくるかワクワク・ドキドキです。日野氏の記事も拝読しました。
特殊なカエルの世界から始まったかと思ったら、宇宙ステーション、ロボット、神様まで登場する壮大な物語、興味深く拝読しました。木(もはや、葉)を見て(森を見ず)、大騒ぎする昨今の風潮にうんざりしておりましたが、ミクロ・マクロの両視点を交えたお話に、久しぶりに好奇心を刺激されました、ありがとうございます。
これからの投稿も楽しみにしております。
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C.Monetさん (てんちゃん)
2017-09-10 02:56:33
ご訪問 コメントありがとうございます。

ここのブログをどうするかは、試行錯誤です。でも現段階では、もっとも訪問者が多いので、使用領域を広げてみようと、私のお気に入りのものを出してみました。
この物語は、すぐできました。本当にあの頃は刺激場所がたくさんあったのです。 
今 また刺激を作る場をつくらないと、こんなのは書けませんね。
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良いお話でした。 (mamasan)
2017-09-11 19:36:48
てんちゃんさん、こんばんは。
とても、いいお話だと思いました。
展開も、子供たちが、引き込まれる内容で、
きっと、心に何か残るに違いないと思いました。
幼稚園教諭をしていたので、子供たちには、いろんな
絵本、童話を読み聴かせてきました。
ただ、きっと、このお話を読んでいる途中で、
泣いてしまう私が、想像できます。
泣いた赤鬼は、何度読んでも、泣いていました。
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mamasanさん (てんちゃん)
2017-09-12 08:00:29
mamasanさん コメントありがとうございます。

 この頃までに、自分の子の子育てで、ある程度絵本を読んでいました。そしてその頃のテレビ番組と合わせ、私ならこう書くなって思ってました。
 ネットの中で書いてみたらといわれ書いたのですが、その時も現場で幼児に読み聞かせしている人から、興味を持って聞いてくれたよって連絡してくれました。
 あなたにも評価していただきありがとうございます。
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