<鑑賞対象>
ゴールデンカムイ
監督:久保茂昭
鑑賞日:2024年2月上旬
観賞場所:イオン大高シネマ
AIによる概要
野田サトルの大ヒット漫画「ゴールデンカムイ」の実写映画が、2024年1月19日に全国で公開されました。上映時間は128分、映倫区分はPG12です。
映画の舞台は、日露戦争直後の北海道です。戦争帰りの陸軍兵・杉元佐一(山崎賢人)とアイヌの少女・アシリパ(山田杏奈)がバディを組み、大日本帝国陸軍第七師団や元新撰組の土方歳三と莫大な金塊の争奪戦を繰り広げます。
暫く前だが、ゴールデンカムイを見に行った。
この原作はちゃんと読んでいたので、注目点は下記であった。
1.原作との相違、映画としての強調点
2.複雑な背景、多数の登場人物の処理方法
3.キャスト
上記の注目点を踏まえて感想を述べる。
1.原作との対応 および背景や登場人物の説明等
原作は非常に長いからどうするかとおもっていたら、日露戦争の重さと「不死身の杉本」という主役の存在の成立、北海道内で虐げられたアイヌが集めた大量の砂金が隠されその場所が多数の逃亡犯に入れ墨で描かれているという事件の成り立ち、それを特徴ある3つのグループが競合して追いかけることになったという物語の始まりの内容で終わった。ここまでの話は、原作そのままであった。
3つのグループの主要なメンバーの紹介、物語を知るうえで重要なアイヌの文化の紹介などが、画面への文章の書き込みを活用して効率良く説明された。それだけでなく今後出てくる主要メンバーも、映画の最後に顔を見せるというサービスぶりだった。
後述するがキャストが原作にほぼ嵌っていて、203高地の戦争シーンやヒグマとの対決、小樽でのソリの上のアクションなど、原作のイメージをエッジを効かせて再現していた。
主役が山﨑賢人で脚本が黒岩勉と、キングダムと同じなので、両者のイメージが重なるのではと心配したが、山﨑賢人が大人らしく肉体改造し、アクションのパターンを変える事で独自性を出していた。
2.キャストについて
物語がそれほど動いていないので、キャストのめぼしい人を原作と対応させてコメントする。
①杉元(山﨑賢人)
203高地の死地を大暴れで生き抜き、「不死身の杉元」と呼ばれるようになった。故郷の友人の妹の病を直す為にお金を必要とする。
v逞しいが暗さを持った青年の雰囲気を良く出していた。キングダムの少年ぽさとは大違い。②アシㇼパ(山田杏奈)
原作では少女のアイヌを、20歳を少し越えた女性がやっている。清純さや純粋さがあって、選ばれたのはなるほどと思ったが、寝ている場面で寝顔があまりにも年齢相応の美女過ぎてドキッとした。金塊を奪った男に父親を殺されていてその仇を打つために杉元とともに活動する。
⓷土方歳三(舘ひろし)
脱獄囚グループを束ねる高齢の腕の立つ剣士。沈着冷静で頭の切れ、周辺を威圧するリーダーらしさが出ていた。さすが。自分の野望のために金塊が必要。
④鶴見篤四郎(玉木宏)
日露戦争で報われなかった帝国陸軍第七師団の兵士のために北海道を征服するための軍資金を得ようとする狂気の中佐。
見た目の雰囲気はよく出ていて狂気も発揮していたが、皆が従うにはもっと振りきれた狂気が必要かもしれない。
⑤その他
周辺で活動する脱獄の名人の白石、チンピラ兵士の二階堂、柔道の達人の牛島など、周辺の演技者が、原作のイメージにピッタリだった。
3.最後に
再現性が非常に高く、またアクションの出来のすばらしさと、北海道の自然を生かした情景が素晴しいので映画の続篇を期待したが、なんと映画でなくWOWOWで続きをやるらしい。
この映画の魅力は、雄大な北海道の自然とそれに対比させて人間のつまらない争いを描くことにあり、小さなテレビ画面では魅力が半減どころかかなり低下する。愚の骨頂である。
ともかく、WOWOWテレビシリーズの前座として、この良くできた映画を作り映画での続編を期待させたのは、映画文化への裏切りである。
ゴールデンカムイ
監督:久保茂昭
鑑賞日:2024年2月上旬
観賞場所:イオン大高シネマ
AIによる概要
野田サトルの大ヒット漫画「ゴールデンカムイ」の実写映画が、2024年1月19日に全国で公開されました。上映時間は128分、映倫区分はPG12です。
映画の舞台は、日露戦争直後の北海道です。戦争帰りの陸軍兵・杉元佐一(山崎賢人)とアイヌの少女・アシリパ(山田杏奈)がバディを組み、大日本帝国陸軍第七師団や元新撰組の土方歳三と莫大な金塊の争奪戦を繰り広げます。
暫く前だが、ゴールデンカムイを見に行った。
この原作はちゃんと読んでいたので、注目点は下記であった。
1.原作との相違、映画としての強調点
2.複雑な背景、多数の登場人物の処理方法
3.キャスト
上記の注目点を踏まえて感想を述べる。
1.原作との対応 および背景や登場人物の説明等
原作は非常に長いからどうするかとおもっていたら、日露戦争の重さと「不死身の杉本」という主役の存在の成立、北海道内で虐げられたアイヌが集めた大量の砂金が隠されその場所が多数の逃亡犯に入れ墨で描かれているという事件の成り立ち、それを特徴ある3つのグループが競合して追いかけることになったという物語の始まりの内容で終わった。ここまでの話は、原作そのままであった。
3つのグループの主要なメンバーの紹介、物語を知るうえで重要なアイヌの文化の紹介などが、画面への文章の書き込みを活用して効率良く説明された。それだけでなく今後出てくる主要メンバーも、映画の最後に顔を見せるというサービスぶりだった。
後述するがキャストが原作にほぼ嵌っていて、203高地の戦争シーンやヒグマとの対決、小樽でのソリの上のアクションなど、原作のイメージをエッジを効かせて再現していた。
主役が山﨑賢人で脚本が黒岩勉と、キングダムと同じなので、両者のイメージが重なるのではと心配したが、山﨑賢人が大人らしく肉体改造し、アクションのパターンを変える事で独自性を出していた。
2.キャストについて
物語がそれほど動いていないので、キャストのめぼしい人を原作と対応させてコメントする。
①杉元(山﨑賢人)
203高地の死地を大暴れで生き抜き、「不死身の杉元」と呼ばれるようになった。故郷の友人の妹の病を直す為にお金を必要とする。
v逞しいが暗さを持った青年の雰囲気を良く出していた。キングダムの少年ぽさとは大違い。②アシㇼパ(山田杏奈)
原作では少女のアイヌを、20歳を少し越えた女性がやっている。清純さや純粋さがあって、選ばれたのはなるほどと思ったが、寝ている場面で寝顔があまりにも年齢相応の美女過ぎてドキッとした。金塊を奪った男に父親を殺されていてその仇を打つために杉元とともに活動する。
⓷土方歳三(舘ひろし)
脱獄囚グループを束ねる高齢の腕の立つ剣士。沈着冷静で頭の切れ、周辺を威圧するリーダーらしさが出ていた。さすが。自分の野望のために金塊が必要。
④鶴見篤四郎(玉木宏)
日露戦争で報われなかった帝国陸軍第七師団の兵士のために北海道を征服するための軍資金を得ようとする狂気の中佐。
見た目の雰囲気はよく出ていて狂気も発揮していたが、皆が従うにはもっと振りきれた狂気が必要かもしれない。
⑤その他
周辺で活動する脱獄の名人の白石、チンピラ兵士の二階堂、柔道の達人の牛島など、周辺の演技者が、原作のイメージにピッタリだった。
3.最後に
再現性が非常に高く、またアクションの出来のすばらしさと、北海道の自然を生かした情景が素晴しいので映画の続篇を期待したが、なんと映画でなくWOWOWで続きをやるらしい。
この映画の魅力は、雄大な北海道の自然とそれに対比させて人間のつまらない争いを描くことにあり、小さなテレビ画面では魅力が半減どころかかなり低下する。愚の骨頂である。
ともかく、WOWOWテレビシリーズの前座として、この良くできた映画を作り映画での続編を期待させたのは、映画文化への裏切りである。
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