てんちゃんのビックリ箱

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ノリタケの森 訪問

2024-12-20 23:55:46 | 美術館・博物館 等
 ノリタケの森とは、ノリタケブランドで有名な森村グループが、地域社会への貢献はかるため本社内の広大な地を使って、陶磁器に関わる文化、歴史、販売に関わる施設と公園を作り市民に解放したものである。
 私は次年度の美術のクラブで屋外スケッチの場所を探しているが、その候補の検討対象として訪問した。その結果十分描くテーマがあり、10数人が動き回っても問題なく、候補地にできることがわかった。
 中で食事をした後に下記の施設を見学した。訪問日は12月12日。
 ・ウエルカムセンター
 ・クラフトセンター・ノリタケミュージアム
 ・ノリタケの森ギャラリー


ノリタケの森 地図(ややデフォルメされている)

1.ウエルカムセンター
 森村グループ(ノリタケ、TOTO、日本特殊陶業、日本ガイシ、大倉陶苑など)の明治以降の事業発展の流れを、非常にきれいに展示していた。
 ざっというと明治初期に陶器等の仕事を持ち財産家であった森村家に、美的センスと先進技術取得能力に優れた大倉家が参加して、高級陶磁器、衛生陶器、機能性陶磁器など一気に事業展開をしたということがわかった。業種ごとに分社して行く形態をとっているが、それぞれが日本のセラミック系の産業を、規模的にも技術的にも牛耳っているのがわかる。
 大倉家の参加が陶器デザインにも、陶磁器に関わる機能的な事業拡大にも重要な役割を占めていることがわかった。
 いままで見た中で、最も理解しやすく、また美的な展示だった。
(なお写真は、私が撮ったものとHPからの引用)


最初に展示の森村グループの発展の概要


2.クラフトセンター・ノリタケミュージアム
 ここは入場料がいるが、内容は充実していた。建物の1階/2階は陶磁器の製造工場で、1階は陶器の製造の基本、2階はボーンチャイナの絵付け等の製造工場になっている。特に絵付けを実際にやっている状況が見られるのは素晴らしい。土でかたどったものが焼成によって大きく縮むことなど、生産上の重要な課題を明確に展示していることなどわかりやすい。


ボーンチャイナの絵付け

 3階/4階はこれまでのノリタケブランドの陶磁器の展示場である。ノリタケの陶磁器は海外への輸出品のデザインが素晴らしく、特に1920年~1940年の作品がオールドノリタケとして豪華な装飾と洋風デザインで有名だが、4階でそれらを堪能できる。
(オールドノリタケは国内でほとんど販売されておらず、見てびっくりする。米国やイギリスの博物館で見てきたが非常に評価高く扱っている。)


ギャラリーの展示状況 壁はディナーセットの年台販売履歴


3.ノリタケの森ギャラリー
 一週間のローテーションで陶磁器や絵画の無料展示会をやっている。
 この日は、下記の日本画の個展が開かれていた。ともに白土会の会員のようである。
 ・加藤眞恵 展
 ・稲野光代 日本画展
   これらの展示は15日まで。

(1)加藤眞恵 展
  対象をデフォルメするとともに金箔やプラチナ箔を使った派手な絵で、片岡球子に感じが似ている絵を描いている。
 下記のような派手な竜を描いている。
 私は、それに挟まれた三日月の絵が好きだ。


派手な龍の2枚絵



三日月の絵(金粉使用)


(2)稲野光代 日本画展
 とてもまじめに日本画に取り組んでいるがやや地味だとおもった。でもその地味さに好感がもてた。
 そのまじめさが顕著に出たのが、下記の大木の絵。彼女が選んだ目玉の絵。



 私は もっとバラエティよく色を使った下記の小さな作品が好き。



4.コマーシャルゾーン
 当然ながら、ノリタケ製品を販売しているゾーンがある。高級品からやや安価な食器類、それにアウトレットとして廉価販売している領域もあった。
 高級品は700万円の大倉陶苑作の陶板が、最も高かった。


最も高かった 陶板

全般にいい品ばかりだったが値段もなかなかで、今回は買わなかった。

5.公園となっている部分、
 あまり歩き回らなかったが噴水や窯焼きの煙突などがあり、また芝生や植え込みが広がっていて、とても贅沢な空間だと思う。これを市民に提供している森村グループに感謝したい。


噴水



煙突(クリスマス仕様)



撮影中の女性たち。



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