2014年訪問 前回の続き
まずはインターミッションから
<インターミッション>
この飛行場にはかつてのボーイングの飛行機工場の滑走路があり、そこに古い管制塔がある。その中はかつての管制技術を示す展示ルームになっていたが、その中にその時のアメリカ上空の飛行機の動向を示すモニターがあった。青い点がぎっしりと詰まっていた。その時は単純にすごいと思ったが、コロナ禍の今の状況はどのように表されているのだろう。
<管制塔の説明>
<訪問時のアメリカ上空の航空機の位置>
3.第1次/第2次世界大戦の航空機
ここは皆さんがキャーというところ。特に第1次世界大戦の頃の飛行機が充実している。
(1)第一世界大戦までの航空機
当然 ライト兄弟の飛行機は展示されているが省略。戦争では高い位置にあって全体を見通すというのが重要で、ライトフライヤーも軍が支援している。
そして映画「紅の豚」で見かけたような、古い機体がぞろぞろ。複葉機に三葉機。ただ偵察するのではなく、銃を付けて戦った。
<複葉機(2枚重ねの翼)と三葉機(3枚重ねの翼)>
追いかけっこしているような展示。
これは、有名な撃墜王が乗っていた機体。
そして、その時代の画期的な高速機とのこと。機銃が機体の上にある。
エンジンも、軸周りにピストンをずらりと並べることで馬力をあげている。
この頃の機体は風防がなく、パイロットは外気を友とし、馬に乗っているような騎士道感覚で、お互いの声を聴きながら戦っていたのだろうと思う。
(2)第2次世界大戦頃
第2次世界大戦
第2次世界大戦では、後半に航空機が戦いの主役となった。各国の機体もずらり。
各国代表で、まず日本からハヤブサ。それに対抗するにアメリカのムスタング。空戦中のゼロ戦があったが撮りそこなっている。
<ハヤブサ と ムスタング>
ヨーロッパ戦線では、スピットファイヤとメッサーシュミット。
<スピットファイア と メッサーシュミット>
空母搭載が行われ、翼を折ったものや空母発着時の手旗信号も展示されている。
この時期になると人間が風防に閉じ込められ、いかにも高速の機体となっている。でもまだ何か柔らかさある。
4.吹き抜け大ホール
ここは、第2次世界大戦以降の軍用機および民間機がぶら下がり、また並んでいる。その空間の広さに驚く。
2階のフロアから見渡すとこんな感じ。いかにも最新鋭の機体からゲテモノまで並んでいる。
この中では、マッハ3.2の最速の超音速偵察機SR-71が最も印象に残っている。これは確かロッキードが作ったのだがここにある。
座席に座ったのだがとても狭かった。そして前方、とがっているため真ん中に桟があって、見づらい。
ジェットエンジン、超音速の空気を中に導入するために、内部空間設計に工夫があるとのこと。
これは多分F-18ホーネット。 ダグラス製作だが、この時にはボーイングの一部門になっている。こうなると中に人間が入っていたとしても機械の一部のような感じがする。
そしてゲテモノの自動車と飛行機のアイノコ。あえて造ったねという感じ。
ここの空間はいろんなものがありすぎて、少し見るだけでも疲れる。なおこの建物の外にソビエト連邦の戦闘機ミコヤンが置いてあった。どのようにして入手したのだろう。
5.ボーイングのかつての工場
かつての手作りの頃の工場が再現されていた。レンガ作りの建物、木の机。そして手で稼働する機械。
それに雑然と木製の主翼リブが載っている。
そしてそれを組み立てたものが壁にかかっている。
胴体のアッセンブリーもある。これは先端部。
取り付けるべきエンジンも。
こんなアットホームな雰囲気で、自分たちの分身となるような息遣いの感じる飛行機が造られていたということを示したかったのでしょうね。
6.最後に
この建物の敷地には、銅像が2つあった。
一つは模型飛行機をもつ子供の像。ここを作った大人たちが、純粋に飛ぶことにあこがれを持った存在を続けたいと願った像だろう。
それに対し、もう一つは鳩を手にとまらせたパイロット。世界最強の空軍国家として世界の平和を守る(アメリカが世界最強の国家であり続けなければならない)という意思を示していると思う。
スピットファイアとメッサーシュミットの出てくる映画なら、空軍大戦略ですね。イギリス攻撃を狙うドイツ空軍とイギリス防衛を担うイギリス空軍の空中戦を描いた映画でした。
ワシントンで、アメリカは太平洋と大西洋、同時に戦争をやったたいした国だと思いました。