奥様が完全離職となった。定年退職後、請われて臨時の仕事を続けていたが、やっと開放していただいたようである。 三十歳を過ぎて大学に進学し、その後児童館の職員となり、長きにわたり仕事を続けてきたが、やっと家庭に戻ってきた感がある。 私の病気の早期回復の為に、「頑張る」と言っていただいたが、掃除、洗濯で私の部屋は原型を見ない程になっている。 「汚い、汚い」が口から出続けている。
こんな時私は、完全無視。 わが心のままに、食事の準備に精出している。 この所、「揚げ物」と、「寒天ゼリー」に嵌ってしまい、奥様の友人は「天麩羅」の被害者となり、孫たちは「寒天ゼリー」の被害者となっている。
私は奥様の「読書」の被害者となり、昼夜に限らずお読みになる本の書評を聞かされている。 それも、深夜である。 奥様にしてみると、人生で最も心弾む時なのであろう。 「夫婦喧嘩」も五分後には、読書感想のお時間である。 ま、これでよしとしよう。
現在、奥様は「石牟礼 道子」に嵌っているが、次は何方の本にするか古い記憶の先を思い起こし、候補を考えておきたいと思っている。 子供の頃読んだ「宮沢賢治」を大人として、読み返してほしいのだが・・・・・・・。