秋分の日は9月20日とばかり思っていた。思いっきり恥をかいてしまった。
なんと116年ぶりの閏の秋分の日だそうである。学生時代にその様な事を教わった事は覚えていたが、生きているうちにその巡り会わせになるとは、思っても見なかった。116歳以上の齢を重ねて方が、国内に幾人おいでになるのか、気になり始めた。
中学生時代、白土三平の漫画に夢中になった。
一つには、彼の書いた「カムイ伝」に引かれ、学校帰りにアルバイトをしていたから私立の授業料を払った残りでこの漫画を読みふけった。「抜け忍カムイ」を取り巻く色々な事件を通して、私に「被差別」の何たるかや、「マタギ」と呼ばれる狩猟中心の存在など色々に、学ぶ所があった。
昭和37年 本屋で一冊の本とであった。「野生への旅 マタギ -狩人の記録ー
十川幸夫」
中学生時代を思い出し、なけなしの金をはたき購入。
民俗学的に素晴らしい本であった。
駆け落ち結婚した時も、この本と吉川栄治全集、井伏鱒二全集はこっそり持って出た。それ程素晴らしい内容の本であるが、その後読むことは無かったが、http://blog.goo.ne.jp/gaginn の「北国から」のブログを読み近年まで、マタギが存在し、又その文化を継承しようとされている方が存在する事に感動して、二日掛かりで読み直した。
内容は、「阿仁マタギ」の歴史と、文化的位置づけを試みた本である。
写真も多く資料的価値も高い。建設中の鉄道や県道の写真も含め記録資料としても一級品である。
おそらく取材地の阿仁地区にもこの本は残されていないのではなかろうか。
因みに「釣りきち三平」の作者矢口高雄氏も、白土三平氏の「カムイ伝」のファンで、「釣りきちがい」の少年の名前を「三平 三平」(みひら さんぺい)としたそうである。
山間地側隣町の上小阿仁村は私にもまるで秘境のようです。海添えの隣町はいつも通るので馴染みがあるのですが。近年山越えの道路が完成して「道の駅かみこあに」に寄ることもあります。深山さんのブログを読んでもっと興味を持ってみたいと思いました。有難うございます。
特に、秋田県の「マタギ」は独特の言葉を狩猟時には使い、その言葉こそ古代日本語ではなかったのかと、書き記しています。
秋田県仙北郡西木村桧木内、下戸沢、中仙町豊岡、田沢湖町刺巻、北秋田郡阿仁町打当、比立内、根子、露熊、萩形、八木沢、由利郡鳥海村百宅、鹿角郡十和田町大湯大楽前のマタギの間ではその言葉で、互いに語り合っていたといううこどが記録されています。なたこのマタギ集団は、独特の山岳宗教観を持ち、縄文時代の匂いさえしたと、作者は語っています。
吉川英治の本もかなり熱心に読みました。
今では、余程のことがありませんと思い出すこともない、本でしたが、此方へ伺い懐かしい気持ちがあふれました。
マタギの本は買いませんでしたが、出版された時に読みたいと思いました。
鷹匠やマタギが現実に山中で暮らしていることを知りますと、日本という国の奥深さに打たれます。
農民一揆や被差別。農業で生きていくための集団作業。マタギや鷹匠の存在。
色々この漫画は、教えてくれました。漫画というより、「人生の何たるか」を語っていたように思います。その後の漫画では、「はだしのゲン」がやはり同じ次元のまんがというジャンルから飛び出して人間を語りかけてくれる物の様に思っています。