夕庵にて

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ときどき写真と短歌を

『その日まで』

2022年06月23日 | 
『その日まで』 瀬戸内寂聴著 講談社
瀬戸内寂聴・・2021、11 逝去 99歳 (数え年)

いつも精力的で前向きで病を克服し天晴れな人生!!
自分の進む道のため、幼い娘や夫を置き去りにしてまで突っ走ったその懺悔を僧侶として仏教に縋ったのだろうか・・・
決してそうではないと言われそうだが・・・

     

1~20までの章で特筆すべき人たちとの交流のエッセイ集

石牟礼道子、(作家)志村ふみえ(染色家)、萩原健一、(俳優)田辺聖子、(作家)江藤淳、(作家)三島由紀夫、(作家)石原慎太郎、(作家)
小林勇、(画家)津島佑子(太宰の孫)・・・

寂聴さんは、毎日毎日死にたい、死にたいとぼやいていたらしい。
『遺言などもうどうでもよい、自分の生き様の終わりを
見届けることだけである』と
 書籍だけがこの世に生きた証として残れば本望であるとも。

老衰ならば自分の死はあるていど分るのかもしれない。
私の母もお見舞いに行ったとき「私はもうすぐ死にますよ」と
眠りながらつぶやいた言葉が忘れられない。

寂聴さんも言葉には出せなっかたらしいが、
眠りながらきっと死を感じたに違いない。

最期は眠るがごとく逝ったと聞く。眠りながら寂聴さんは
この日が最後だと微笑みながら旅立ったのだろうか?
もし生まれ変わったならこの地球ではなくてほかの星がいいそうな。

いつも笑顔で美味しいものをお腹いっぱい食べ、お酒を飲んで、
愛についての持論を多くの人に語って,
99歳の大往生であった。

もし あの世とやらがあるならば、懐かしい人たちとお酒を酌み交わし
そちらの世界を書いているのかもしれない。

コメント (2)
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