「犬の尻尾をなでながら」 小川洋子著 集英社文庫
小川洋子と言えば「博士の愛した数式」で読売文学賞と本屋大賞受賞。
数式の「驚きと歓び」について例題を引いて詳しく述べられているが、
凡人の私にはチンプンカンプン、何一つ理解できない。
その後につづくエッセイは、少女時代の「アンネの日記」との出会いと
その後のアウシュビッツへの旅。
飼い犬のしっぽを撫でながら思いつくまま日々の中での小さな出来事に
目をとめたエッセイには思わず頬の緩むのを覚えたものだ。
文学部出身の彼女がこんなに数に興味を持ち小説に昇華させたのには、
やはり頭脳明晰なのだろう。
それと何処までも出かけて事実を確かめようとする行動力だろう。
いやはや小説家は身体強健でなくては出来ない業か。
以前に「ことり」という本を読んだのを思い出したが、
書棚を探してみよう。
窓辺のサンスベリアに新しい芽が出てきた!!