ガレキのようなコンクリート片からいろんなサイズの丸石が泥に埋まる海岸の観察会に参加した。
泥干潟にこんな石は無いよなぁ・・・と、スタッフに聞くと、、
その昔の大きな台風で壊れた堤防の残骸が泥干潟に残置された、自然界ではあまり見かけない環境らしい。
ぱっと見たところ、生き物の姿も少ない。
が・・干上がった地面をよく見ると、何だか小さな粒々がいっぱいある。。
どぉーんと拡大・・・
5mmに満たないくらいの粒々は、カワザンショウガイの仲間の巻貝で、たくさんいた。
写真は無いけど、この後の顕微鏡観察では、実に可愛らしい姿を見れた。数種類が確認されているとのこと。
カワザンショウガイの仲間は、タマキビのように水を嫌って石の上にいるわけではなく、泥の中も普通に這いまわっていた。
浅い潮だまりに、ヨコエビの一種、ドロクダムシの仲間が這いまわっていた・・
普段見るのは、顕微鏡で付着物の中に潜っている姿ばかりなので、こんなに綺麗なの?と驚く。
泥に埋まらない石の下に、イソコツブムシの仲間が密生していた。親と同じ姿の子供を産むフクロエビ上目だから、
大小の混在は、親子が一緒にいる感じか・・?
フジツボも少なかった。イソギンチャクは見つけられなかった。懸濁物食の付着生物は泥は苦手か?
至る所にカワザンショウガイ・・
ゴカイでもいるか?と、泥にスコップを入れようとしても石にあたって掘れない。
おそらく泥に住む生き物には石が邪魔で棲み家の孔を掘れず、岩礁に住む生き物には泥に体が埋まったり、棲み家の石の隙間が泥に埋まったりで、どちらにも厳しい環境に感じた。
プラスチックごみもさることながら、本来の場所にないこの持ち込まれた石やコンクリート瓦礫も人為的に撤去する必要があるのかもしれない。台風で壊れてから既に60年以上になるらしい・・
泥は本来は、流れのない所に溜まる。石は強い流れによって運ばれたり、露出したりする・・・
そんな中でも、生き物が作ったちょっと大きなアナがあった。
穴の中を覗いても、よくわからなかった・・
タカノケフサイソガニ・・一番たくさんいたカニ。
雄のハサミの間には毛の房がある。
ここで生まれたらしい、小さなモクズガニ・・・ワタリガニ類のような遊泳脚にはなっていないものの、第5歩脚を伸ばすよう特徴的な動きをする。
石が少ない泥浜部には、ヤマトオサガニがいた。
何とも不思議な形だ・・
潜望鏡のように水面から目が出る。これはメスで・・
ハサミが大きい、こちらはオスか?
水の中でカニを見ると、実に水の抵抗を受けないようなフォルムだと感じる。
ヒロクチカノコ・・イシダタミくらいの大きさがあり、肉眼で普通に巻貝と認識できる。
これは、よく這いまわっていた。
小さなシジミ・・・色合いから、ハマグリじゃないか?と本気で思った。。
ユビナガホンヤドカリ・・貝殻は何だろう?
ヒモムシの仲間らしい。名古屋港水族館の大きなナンキョクヒモムシを見慣れているので、釣り餌のミミズよりも小さな姿に、ヒモムシだと思いつかなかった。。
これもスタッフが見つけたゴカイの仲間。
姿を見ていると、釣り餌のアオイソメに一番似ている気がする。
ゴカイの仲間を、ばっと、識別できるようになれるとはとても思えない。。
意外な、いろんな環境で、生き物観察会があることを知った。
以上、本日もご覧いただき、ありがとうございました。