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丸ビルで肉食恐竜:大恐竜展in 丸の内2013

記事のタイトルは「丸ビルでバリオニクス」の予定だったが、今年はバリオニクス以外にも実力派?のティラノサウルス類で固めてきたので変更した。このマルキューブ(第一会場)の展示は、肉食恐竜好きにとってはありがたい。バリオニクス、ゴルゴサウルス、ラプトレックス、ディロングとタルボサウルス頭骨である。これだけでも普通の博物館には望めないラインナップである。一方、オアゾ(第二会場)の植物食恐竜の方は軽めだった。





バリオニクスの立体的な復元骨格は初めて見る。Triebold Paleontology Inc.が販売したのを早速導入したようだ。全体にやや「作った感じ」があるが、頭骨を含めて復元されたものなので仕方ないだろう。
こうして顔をみるとやはり良い。



ゴルゴサウルスは4回目であるが、いつ見ても良い。活躍してますね。ひとつ気になった点として、パンフレットにゴルゴサウルスは眼窩が丸い云々とあったのは、どうも腑に落ちない。ティラノサウルス科の眼窩は、幼体の時は円形に近く、成長するにつれて縦長になる。多くの種類では下眼窩フランジが発達するので、眼窩はくびれた形になるというのが一般的な認識と思う。このゴルゴサウルスの眼窩はどう見ても丸くはない。何らかの意図があったのかもしれないがよくわからない説明文に思われた。





今回はバリオニクスよりもむしろ、ラプトレックスの全身骨格の美しさに魅了された。2011年の科博のも良かったが、これはシカゴ大学のプレスリリースの時にセレノと一緒に写っていた、オリジナル復元ポーズだろう。やはり保存が良いものは、繊細さ、シャープさが違う。通りがかりのOLさん達からも「かわいい」「ちょっと飼ってみたい」の声が聞かれた。
 しかし盗掘の問題はつくづく残念ですね。司法取引みたいに「正確な発掘地点を教えれば、盗掘の罪は問わないから名乗り出よ」というわけには、…いかないだろうなあ。こんな貴重な化石に最初からミソがついてしまったわけで、幼体なら幼体で重要なデータが得られるのに残念としかいいようがない。





ディロングのイメージについては、記載論文の中で、頭骨の写真と復元イラストでかなり印象が違うと思ったことがある。鼻骨あたりはつぶれているし眼窩もゆがんでいるのを復元したということだろうが、それにしても眼窩が大きく描かれたように思った。アーティストのセンスも反映するのだろう。このキャストの頭骨は復元イラストに忠実に作ったという感じがする。最初に行った時、左手の第2、第3指が取れていて痛そうだったが、その後直してもらったようだ。

久しぶりに福井へ行きたくなるようなイベントではあった。





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