Tikara`s Photoroom

私のこれからとこれまでの写真作品を、自身のコメントと共に載せて多くの人に見ていただき、批評していただきたいと思います。

459.イザベル・アジャーニ「ポゼッション」愛・狂気・死

2015-06-15 00:24:45 | Weblog

昔、見た映画の中には、まるでわけのわからない映画が、数多くあった。そういう映画を見るのが、どことなく恰好良く、また訳知り顔の映画通のように思えたからだ。この、「ポゼッション」も、その中の一つであり、また、わけのわからなさにかけては、その最たるものだった。まだ若かった私は、この映画を、繁華街から少し離れた小さな三等館の、観客もまばらな座席に座って、一人で見た。見終わって、呆然とした。映画は、いわゆるホラー映画の体裁をとりつつ、でも全然怖く無かった。

ポゼッション』(Possession)は、1981年にフランスと西ドイツ合作のホラー映画。自分の妄想が生み出した魔物に欲情する女性アンナが、心の葛藤の中で次第に狂気に陥っていく姿と、そんな彼女に翻弄されて自分を見失っていく夫マルクの姿を描く。

第34回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールにノミネートされ、イザベル・アジャーニが主演女優賞を受賞した。

監督 アンジェイ・ズラウスキー
脚本 アンジェイ・ズラウスキー
製作 マリー・ロール・リール
出演者 サム・ニール
イザベル・アジャーニ
音楽 アンジェイ・コジンスキー
撮影 ブリュノ・ニュイッテン
編集 マリー=ソフィー・デュビュ
シュザンヌ・ラング=ヴィラール
製作会社 ゴーモン
配給 フランスの旗 ゴーモン
日本の旗 大映
公開 フランスの旗 1981年5月27日

下の動画は、この映画「ポゼッション」の中の、イザベル・アジャーニの、狂気にとりつかれたシーンの、ハイライト集である。舞台はベルリンだが、言語は英語。ボブという幼い息子のいるマルクは、美しい妻がハインリッヒという男と浮気をしているのを発見し、妻を取り戻そうとするが、妻は次第に狂気にとりつかれ始める。

ポゼッション (Possession)は、「所有」や「占有」を意味する英語。

そこから転じて、「悪魔が取り付くこと」を意味する英語でもある。

POSSESSION

後年、ビデオで再度見てみたが、やっぱりよく理解できなかった。それでもう何が描かれているのか、その意味を考えるのはやめて、ただストーリーだけを追いながら、画面を見続けた。すると、舞台になったベルリンの、ひどく清潔だが、あまり人影の見えない寒々しく冷たい街の光景が、私の目の中に虚ろに残されていた。

この映画の公開後の、1989年11月9日、ベルリンの壁は崩壊し、東西両ドイツはひとつになった。

ポゼッション デジタルニューマスター版
クリエーター情報なし
スティングレイ
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458.チャン・ツイ・イー 映画「グリーン・デスティニー」でのアクション・シーン

2015-06-06 17:34:41 | Weblog

グリーン・デスティニー』(原題: 臥虎蔵龍、英語題: Crouching Tiger, Hidden Dragon)は、2000年の中国・香港・台湾・米国の合作作品で、王度廬の武俠小説『臥虎蔵龍』を原作とした武俠映画の傑作である。

第37回金馬奨では最優秀作品賞を、第20回香港電影金像奨では最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀助演女優賞(チェン・ペイペイ)を受賞している。第73回アカデミー賞で英語以外の言語による作品ながら作品賞ほか10部門で候補にあがり(監督、脚色、撮影、編集、美術、衣装デザイン、作曲、歌曲、外国語映画)、外国語映画賞など4部門を受賞した。

剣の名手として武林にその名を知られた武当派の李慕白(チョウ・ユンファ)は、血で血を洗う江湖の争いに悩み、剣を捨てて引退することを決意する。そして、自身の名剣「青冥剣」を鐵貝勒に寄贈するために、密かに恋心を抱いていた同門の弟子で、鏢局を営む兪秀蓮に託す。兪秀蓮は剣を無事に北京の鐵貝勒宅に届けるものの、その夜、剣は何者かに盗まれてしまう。

名剣「青冥剣」を手にしたのは、玉嬌龍(チャン・ツィイー)だった。ここからこの剣をめぐるふたり(李慕白(チョウ・ユンファ)と玉嬌龍(チャン・ツィイー)の攻防戦が、周囲の人々を巻き込みながら展開していく。ワイアー効果を多用したアクション・シーンが見所の一つとなっているこの映画は、監督のアン・リーと、チョウ・ユンファ、チャン・ツィイーという主役の二人が、ハリウッド映画に進出する大きなきっかけとなった作品でもある。

監督 アン・リー
脚本 ジェームズ・シェイマス
ツァイ・クォジュン
ワン・ホエリン
原作 ワン・ドウルー
『臥虎蔵龍』
製作 アン・リー
ビル・コン
シュー・リーコン
製作総指揮 ジェームズ・シェイマス
デヴィッド・リンド
出演者 チョウ・ユンファ
ミシェル・ヨー
チャン・ツィイー
チャン・チェン

下の動画の前半部分は、「青冥剣」を手にした男装の美少女剣士に扮した玉嬌龍が、中華飯店で居合わせた武侠の男たちを、飛び回り舞うようにして倒していくシーンであり、若い頃の(多分20代前半)チャン・ツィイー の、清純で凛とした雰囲気のする姿を見ることができる。動画の後半部分は、玉嬌龍と、兪秀蓮(ミシェル・ヨー)との、10分近くにわたる1対1の、剣による対決シーンであり、この映画の最大の見せ場となる、映画史に残る白眉のアクションシーンである。

チャン・ツイ・イー 映画「グリーン・デスティニー」でのアクション・シーン

この映画を見るまで、私は、中国映画などは、C級のくだらない作品ばかりだと、観もしないで決めつけていたのだが、ある日たまたま見たテレビのヴァラエティ番組「スマスマ」で、SMAPの草剛君が、この映画を紹介していて、「映画好きの人は、ぜひ見てください」と言っていたのがキッカケで、見る気になったのが始まりで、それからは、中国映画も大好きなジャンルの一つになってしまっている。

草剛君も言っているように、この映画、人が空を飛んだり、水の上を跳ね飛んだりあまりにも荒唐無稽なシーンの連続で、最初は、あっけにとられて、見入ってしまうのですが、アクション・シーンだけでなく、中国内地の美しい風景や、登場人物のそれぞれの人生の悲哀とかそういったいったものが、よく描かれていて、見所は、アクション・シーンだけではない。

 

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