ゴールデンウイークの前半の日曜日、家内と京都へ出かけた。川西市北部から、山間の道を通って、亀岡市の市街地に入り、国道9号線を走って、上桂の交差点を左折して、嵐山の渡月橋までクルマを走らせ、京福電鉄の踏切を超えて、金閣寺方面へ向かう、きぬかけの路を進むと、この日の目的地である、広沢池に着いた。
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広沢池(ひろさわのいけ)は、京都市右京区の嵯峨広沢町にある周囲1.3kmほどの池である。日本三沢の一つにも数えられる。別名遍照寺池(へんしょうじのいけ)とも呼ばれる。2010年(平成22年)3月25日に農林水産省のため池百選に選定された。
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1969年に古都保存法の歴史的風土特別保存地区に指定されている。池の西側には池へ突き出るような形の小さな島があり、観音島と呼ばれ、橋が架けられている。
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島の内部には石像の千手観音が祭られ、先端には弁天堂もある。
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平安時代の中期、989年(永祚元年)に遍照寺の建立にあわせ庭池として本堂の南に造営されたとも言われている。異説として、嵯峨野一帯を開墾した渡来系豪族の秦(はた)氏一族が溜池として造ったとも言われている。
平安時代に作られた池は、遍照寺と共に廃れて行ったが明治時代に、地元の人々の協力で修復された。
湖畔にはサクラ、カエデ、ヤナギが植樹され、マガモ、ケリ等の鳥類やトンボも多くみられ地元の小学校の「自然観察教室」や「写生教室」などにも利用されている。
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南岸の、きぬかけの路に沿った風景の様子。
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西岸には、豊かな田園地帯が広がっている。その田畑には、蓮華の花が咲いていた。
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近隣の民家には、鯉のぼりを掲げている家もあった
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北岸の風景。建物は,「聴松亭」という茶室である。
西行法師による「やどしもつ 月の光の大沢は いかにいつとも 広沢の池」
源従三位頼政による「古の人は汀に影絶えて 月のみ澄める広沢の池」
薩摩守平忠度による「あれにける宿とて月はかわらねど昔の影は なほぞこひしき」
松尾芭蕉による「名月や池をめぐりて夜もすがら」等、古来から観月の池として知られ、数々の歌に読まれている。