先日、20世紀のもっとも有名なポップ・アーティストである、アンディ・ウォホールの作品、もっとも有名な60年代のハリウッド女優マリリン・モンローをモデルにしている、「ショット・セイジ・ブルー・マリリン」が、予想落札価格が、2億ドル(約241億円)という超高価格で、競売オークション会社のクリスティーズに出品された。もしこれが落札されれば、20世紀の作品として、史上最高額になる、というニュースが話題になっていた。
アンディ・ウォホールといえば、50年近く前、駅でたまたま出会った高校時代の友人のN君と、彼は、三宮までパチンコをしに行く途中だったのだが、無理を言って、一緒に付き合ってもらって行ったのが、大丸神戸店で開催されていた、アンディ・ウォホール展だった。二人で、興味深く鑑賞しての終わりに、私は、まだ若く金もなかったのだが、そのころの私たちには、高価な買い物であった、展覧会の、ガイド本を購入した。確か3000円ほどである。その本は、今でもカバーをして、大切に保管している。その中に、今回オークションに出品された作品も入っていたのを、思い出した。いま改めて、本を取り出し、この作品が、そんなに超高額になるとは、思いもしなかった。このガイドに載っている一部を、紹介します。
「ディック・トレーシー」60年代から70年代にかけて人気だった、アメコミヒーロー。のちに、ウォーレン・ビーティが、製作・監督・主演で映画化し、そのころの恋人だったマドンナと共演したが、当たらなかった。
「マリリン・モンロー」ウォホールは、何点かのモンローシリーズを残している。これは、1962年作。
有名なキャンベルスープ缶シリーズ。このころ、誰もこんなものを美術作品になるとは、思いもしなかった。ポップアートの誕生である。
「毛沢東」。「ニクソン大統領」下部の余白に、マクガバン(ニクソンの政敵)に投票を、と書かれているのが、面白い。
映画「波止場」の、マーロンブランド。キミコと題された日本人女性らしき人をモデルにした作品。
「ショット・ライト・ブルー・マリリン」1964年作
「アンディ・ウオホールについてすべてを知りたいのなら、僕の絵と映画と僕の表面を見ればいい。そこに、僕がいる。裏には、何もない」 このガイドブックの裏表紙に集められたウォホールの名言集の、最後の言葉。
アンディ・ウオホール(1928~1987)