4月下旬、うちの庭にゼラチン状の細長い紐のようなものの中に、白い小石のようなものが連なって入っている、何やら不気味なものが……。2mくらいあったみたい。
カエルの卵? だとしたら、何ガエル?
妹は「こんなところで産気づいたのか!?」と言って私を爆笑させたけど、こんな水辺でもない所に産んでしまうの?
しかしながら、こんなに大量のものをおなかに入れていたら、さぞ重かったろうと思うのだが、とにかく、とにかく、一体これは何?!
天気が悪かったので観察せずにいたら、数日後、すっかり消えていた。とにかく、とにかく、一体これは何?!
で、しばらくして、河川敷の小道を犬たちと散歩をしていて見つけた卵、
一体これは何の卵? 鳥? ヘビ? 何?
ううむ、とにかくいろいろなものが生まれる季節なのだなあ。
4月30日はブナの兄さん犬「はる」の1周忌だった。
前日はるのお父ちゃんの妹さんから「はるの骨を送るから、住所を確認させてほしい」という内容の電話があった。「ええ~っ! はるの骨って、どういうこと!」とあたふたしている間に住所が読み上げられ、私は「はい、その通りです」と答えて間もなく、真意を聞かずに電話を切ってしまった。妹さんも言葉足らずだけど、私も詰めが甘かった。
と、そのあと、はるのお父ちゃんから電話があり、はるの火葬が終わったのち、分骨したい旨、焼き場の方に話したところ、その方が分骨用の小さなステンレスの容器にはるの骨を分けて入れてくれたのだそうだ。
それを私に送ろうと何度も手紙を書いたのだけど、はるの思い出ばかりを書き綴ることになり、「一体オレは何を書きたいんだろう」と書いては捨て、書いては捨てを繰り返し、結局1年が経ってしまったと言っていた。
「はるの1周忌なので意を決して便りを書き、ブナやクリのおやつと一緒に送ったよ」と報告してくれたはるのお父ちゃん。
はるのお父ちゃんも苦しかったんだろうな。はるが亡くなって、どんなにか淋しかったでしょう。久しぶりにはるの思い出に花を咲かせました。
はるの命日に届いた荷物の中に、はるの骨が入った小さな容器があった。白くて、きれいなはるの骨。トチの祭壇に供えながら「お前の息子が帰って来たよ」と話しかけた。
一緒に送ってくれた生前のはるの写真
はるの骨を、手入れの行き届いたお父ちゃんの家の庭の片隅に埋葬したということは聞いていた。その前にほんの少しだけ、私のために分骨してくれていたのだ。
同封されていた手紙には「お願いされていたはるの骨」と書かれていた。ガ~ン! 私が頼んでいたんだ~。そ、そ、そんな大事なことを忘れていたなんて!
亡くなる前の日に、はるに会いに行ったこと、翌早朝に亡くなったはるの最期を聞いて動転し、大泣きしたことは覚えているけれど、そんな大切なお願いをしておきながら、それを覚えていない私って……。はるのお父ちゃん、ごめんなさい。
はるちゃん、ごめんね。連休後半に遊びに行ったほたるの別荘に、はるも一緒に連れて行き、ノエホタ母&父に私の大ボケぶりを白状し、ともにはるを偲んだのでした。
ほたるの別荘のノエルの祭壇に、はるのお骨が入ったステンレス容器とはるの写真を置いてもらった。お父ちゃんをはじめ、みんなの気持ちが天国のはるに届きますよう。心のこもったお父ちゃんからの手紙もピンクのポーチに入れて持って行った。それも一緒に添えました。
昨年の暮れあたりから気になっていたクリの右頬の腫瘤。小指の先くらいの大きさだったので、「経過観察」を決め込んでいたら、3月から4月にかけて、顕著に大きくなってきた。
黄色の線で囲んである所の腫瘤が
皮膚組織球腫らしいのです
4月の中旬に細胞検査をしてもらったところ、「犬皮膚組織球腫を疑う」との所見。肉片を切除して検査してもらったわけではないので、現状では皮膚組織球腫より厄介な肥満細胞腫との鑑別をはっきりできないことから、あくまでも「疑う」なのですが、なんとまあ、いろいろな腫瘍が存在することか。皮膚組織球腫なんて初めて聞きました。
これは、犬の特有の皮膚の腫瘍で、1~2歳の若い犬に発症例が多いという。そういう意味では珍しいタイプの腫瘍だそうだ。
犬には多種多様な組織球増殖性の疾患があるらしい。皮膚組織球腫の発症例が多いバーニーズ・マウンテンドックの場合は、悪性の組織球腫もかなり見受けられると主治医の先生が言っていた。
組織球腫でも免疫系由来のものだと、ステロイド剤で腫瘤が縮小し、消滅するものもあるという。「腫瘤が縮む」とか「消滅する」というのが何とも不思議。
そこで、とりあえずクリの腫瘤が収縮するかどうか観察するために、2週間ステロイド剤(プレドニン錠)を投与することになった
腫瘤が消滅しないまでも、そのタイプなら薬で抑えていくことができるらしい。クリは抗てんかん薬の投与も続けているし、高齢だから、リスクの高い全身麻酔を必要とする手術は何とか避けたい。
先生も私も腫瘤が小さくなることに期待していたけれど、結局ステロイドを投与してた2週間の間に、腫瘤は盛り上がりはしても小さくなることはなかった。
5月2日に13歳になったクリ。顔が白くなり、下前歯も2本抜けてしまったおじいちゃん犬だけど、私には相変わらず末っ子のおチビさんだ。
乳幼児期に栄養不良で、体も小さくて持病もあって、長生きできないだろうと思われていたクリが、せっかくここまで長生きできたのにと思うと、手術は大いに悩んだが、悪性かどうか、また肥満細胞腫がどうかはっきりしない以上、やはり切除が望ましいのだろう。
切除手術を視野に入れて、採血と心臓のエコーを撮って検査をしてもらった。数値的には問題のないものだったので、やはり皮膚組織球腫の疑いのある腫瘍を切除してもらうことにしたのだった。