菊地寛の小説のようですが…、「クリ帰る」。
7時前に病院に行ったら、もうすっかり麻酔から覚めたクリがしっぽを振って迎えてくれました。足腰はまだ少しへたり気味でしたが、先生が懸念していたことは杞憂に終わり、とりあえず手術は無事終了。今夜、麻酔の影響で、不整脈が出たりしなければ、多分大丈夫でしょう。
エリザベスカラーをあちこちにぶつけながらも、ちゃんとトイレに行き、オシッコを済ませたクリ。エライ、エライ。
何とか無事に連れて帰ってこれたので、お母さん、すっかり気が抜けてしまい、先生のお話や経過を書く余力なし。
携帯で撮影したので、単なる黒い物体に変なプラスチックが巻かれているみたいに見えますが、仕事部屋で寝入ってしまったクリです。
心配してくれた皆さん、ありがとうございました!
クリを病院に連れて行ってから2時間半ほど経ったころ、先生から電話があった。手術は無事に終わったとのことなのだけど、麻酔からすっきり覚め切らず、自力では立ち上がれない様子。
右頬の腫瘍の切除のついでに、左前肢のイボも切除してもらうことにし、それも無事に取れたのだけど、朦朧としながら立ちあがろうとするものだから、その傷に障るらしい。
そこで左前肢にガードを付け、もう少し意識がはっきりするまで病院で経過を見ることになった。「迎えには夜7時前くらい来て下さい」とのこと。
今朝は麻酔をかけるために朝ご飯は抜き。食いしん坊のクリにせっつかれるのが切なかったけれど、誤嚥事故はバカにできないので我慢、我慢。
病院に届けた帰りに、普段はあげない缶詰やレトルトのフードを買って帰って来た。クリにとって初めてのエリザベスカラーはさぞストレスが溜まることだろう。
いっときも早く普段の暮らしに戻り、ガツガツとエサを食べるようになってほしい。クリ、頑張って…。
祈りの時間が続きます。
クリの手術が終わったという連絡がないなあ。順調にいけば、もう手術は終わっている時間。麻酔から覚めないのかなあ。心配。
気を紛らわせるために、ブログを開いた次第。ゴールデンウィーク後半に、ブナの姉さん犬・ほたるを見舞ったことを書いておこう。
手術の話ばかりになるけれど、4月にほたるが開腹手術を受けた。ノエルが亡くなったあとにやってきたジャックラッセルテリア、シュシュのおもちゃ(ロープ製の「デンタルフロス」)を飲み込んでしまったからだ。吐き出すことを期待していたけれど、結局、吐き出さず、開腹手術と相成ってしまったのでした。
子犬の頃からなじんできたはずのおもちゃなのに、なんで今になってゴックンしてしまったかというと、多分、シュシュへの対抗意識なのでは?とのこと。ボール遊びも、シュシュが来てから復活したというのだけど、ねえ、ほたる、老体に鞭打って、そんなに無理しなくてもいいんじゃない? 大丈夫よ、ノエホタ母も父も、あなたが一番!って思ってくれてるよ。
とうことで、抜糸も済んで、順調に回復しているというほたるのお見舞いかたがた、ブナ&クリを連れて、妹と一緒に房総のノエホタ・セカンドハウスを訪ねたのは5月2日のことでした。
あいにくの雨となりましたが、うちの2頭は外でおおはしゃぎするわけでもないので、ノエホタ邸でゆっくり過ごし、翌日は妹たちが建てている家に泊まった。
元気になってよかったね、ほたる。もう無理しなさんなよ
ほたる、トイレタイム
人のうちの庭に、クリもシャ~ッ
「アタシも出しとくれよ~」とガラス窓をシャカシャカするシュシュ
話だけは聞いており、写真だけは見ていたシュシュに初めて会った。もこもこ、コロッとしていて、クルンとした短い尻尾、思わず「ひつじみた~い!」と声を上げてしまった。
クリにガオガオしてサークルに入れられてしまったシュシュ。覗きに
行って、シュシュに唸られ、目を泳がせるビビリのクリ
久しぶりの姉妹の時間。やんちゃなシュシュに対して、動きのないお年寄りたち
何年かぶりにゴールデンウィークに休みが取れた。ノエホタ母とも存分にしゃべり、ノエホタ父と存分に呑み、のんびりしたいい時間でした。
クリの皮膚組織球腫の手術に際して、血液検査の数値(あくまでも数値ね)はさほど問題なく、手術を決行することにしたのだけど、先生に念のためレントゲン検査をしておくことを勧められた。
というのも、レントゲンを撮って転移が見つかったら、全身麻酔のリスクを冒してまで手術しても意味がないからだ。転移していたら、抗がん剤治療ということになるのだろうけど、犬は猫より抗ガン剤の効果が芳しくないらしい。副作用もかなり出るし…。
とにかくひとつひとつを選択していき、出た結果によって、また新たな方針を立てていくしかないので、クリのレントゲンを撮った。
幸いなことに肺やほかの臓器に転移している疑いはなかったのだが、不幸なことにほかの問題点が発覚。肺の一部血管にカルシウム沈着と思われる白い筋が写っていたほか、肩甲骨近くに骨棘ができていて、また腰椎の椎間板もすり減っていたのです。
骨棘や椎間板のすり減りはブナも同じで、これは高齢なので考えられるけれど、血管の石灰化はなあ、どうなの?
まれにカルシウムのサプリを与えられていた犬で、血管への沈着が見られるケースがあったと先生も話していたけれど、クリの場合はそれには当てはまらない。カルシウムのサプリも売り出されているけれど、摂取の仕方や選び方に注意が必要なので、犬たちにもカルシウムのサプリは与えていない。
となると、腎臓疾患や疑われるほかの要因をいろいろ挙げられたのだけど、とりあえず今、目の前にある危機を乗り越えなくてはいけないので、切除手術を進めることにした。ほかへの対応は手術後に考えよう。
ただ先生は血管の石灰化は心筋梗塞のリスクを高めるから、手術も心臓への負担を極力低減するべく、手早く終えなくてはならないといい、さらにそういう注意が必要だということが分かっただけでも、レントゲンを撮っていておいてよかったのだ。
クリの腫瘍のある場所は顔面神経が通っている近くなので、腫瘤が神経を巻き込んでいたら、切除は難しいと言う。顔面神経を傷つけたら、顔面麻痺などが残るから。だからといって、一部を取り残しても、のちのちの増殖を招くことになり、あまり好ましくない。いろいろ厄介なのだ。
顔面神経を巻き込んでいなくても、腫瘍を取り残さないように大きく切除すると、もしかしたら目が開いたままになってしまい、見た目が悪くなる可能性もあると言う。
「クリちゃんのお母さんは違うかもしれませんが、飼い主さんによっては見た目が悪くなることをイヤがる人もいます」
「いいえ、私は見てくれより実質を取ります」
ドライアイは点眼することで何とかしてあげられるけれど、腫瘍が大きくなるのは私では止められない。見てくれが多少悪くなっても、腫瘍が進行するリスクに比べたら、屁でもない。犬はファッションアイテムじゃないんだもの。
リスクだらけなのだけど、これ以上大きくなったら、それこそ顔面神経を脅かすことになるかもしれず、なので、すると決めた以上、何があっても受け止める覚悟で臨むのみです。
神様、どうか私のもとに、クリが生還しますように。先生が苦しむ結果になりませんように。