ブナの鼻梁の上の方におできがある。出来始めたのは今年になってからだったろうか。
ふとブナの顔を見ると、どうしても「シィラカバァァァ~」と歌っている千昌男を思い出してしまう。真ん中に付いているからか……。
受診したら別に悪性の腫瘍でもないようなので、気にはなるけどそのままにしている。これ以上大きくはならないようだが、時々壊れて血が出たりするので、そのたびに酒井先生に言われているように、マキロンなどで消毒している。
それにしても、なんでこんなにツヤツヤしているんだろう。
このツヤツヤ感と膨らみ具合は、血を吸って大きくなったマダニにそっくりである。先生にも「おできなら仕方ないけれど、マダニが吸いついている様子にそっくりで、それだけがいただけない」と言って、苦笑された。
今朝、河川敷で時々会うラブの飼い主さんとすれ違った。通り過ぎようという段になって、彼が「ん?」という表情で、ブナの顔をじいっと見ている。
私はすかさず言いましたね、「マダニじゃありません! マダニみたいだけど、出来物なんです」ってね。 案の定、彼は「マダニかと思った」と言ったのでした。
こんな見つけやすい場所にマダニを付け、しかもこんなに大きくなるまで放っておく飼い主がいたら、ぼんくらとしかいいようがありません。
ブナのこれは、断じてマダニじゃありません。