小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

飼い主の気持ち

2009-11-22 | 犬&猫との暮らし

 クリのワクチン接種に行った際、先生からハンナの容態が思わしくないということを聞きました。ハンナは以前住んでいた家の近くに住むイエローのラブで12歳。どうしたんだろう。10月には犬連れOKの福島のコテージに遊びに行ったはずなんだけど。

 心配になって飼い主の久美子さんに連絡すると、腎臓病が悪化しているらしいのです。ハンナの病状以上に彼女たちを苦しめていたのは、先生の心ない言動でした。

 急に具合が悪くなったハンナを閉院時間前に受診させたところ、点滴が必要だということですぐに点滴を始めたのだけど、ものすごい勢いで滴下させ、先生から「点滴は時間がかかるので、もっと早く連れてきてほしい。自分はこれから病気の母を見舞わなくてはいけないから」と言われたのだそうです。

 ほかにも、ハンナの脂肪腫だったかを気にして相談したら、12歳なのだからあと5年も生きないのに、そういった心配はする必要がないのではないかという発言があり、「あと5年も生きないのだから」という物言いにひどく驚き、傷ついたというのです。
 待合室には15歳になるラブを連れた飼い主さんも診療を待っており、その発言を耳にして泣いていたそうですよ。
 
 犬の仕事をする際に、しつけや世話をするのは直接犬にするわけだけど、結局は飼い主さん相手の仕事なんですね。飼い主さんに納得してもらえないと先にはなかなか進めない。
 
 犬が好きだから犬の仕事に就きたいという人も多いですが、動物相手の仕事だから「動物が好きなこと」は大前提なのだけど、でも結局、人相手の仕事なんですね。人への対応が真摯にできなければ、どんな相手にも同じように、気持ちのむらなく対応できなければ、続けられません。飼い主さんの信頼を得られなければ、ダメなんだもの。

 獣医でも大切なことは、治療技術もさることながら、飼い主さんの気持ちに寄り添う医療をするかどうかだと思う。それは人間に対する医療も同じ。患者の心に寄り添う医術でなければならないと思う。「医は仁術」というのは人に対しても、動物に対しても同じなんだと思う。

 経験からいえば、心から信頼できる獣医さんに出会うことは思いのほか難しいことなのです。獣医師もたくさんいるように思われるでしょうが、通いやすい場所にそういった獣医さんを見つけるのはなかなか大変なことなんです。
 
 「外科的な技術はイマイチだけど、近いから」とか「無愛想なんだけど、遠方に通う手立てがないから」とか、そんなことで妥協して通院している場合も少なくありません。フルタイムで仕事を持ってれば、通える日時が限られてくるから、どうしても近場で通いやすいことを優先せざるおえない飼い主さんもいるでしょう。

 和光の先生は確かに腕はよいのだけど、飼い主が傷つくであろう物言いをたびたび耳にする。犬たちが病気で飼い主も辛い思いをしているときに、もう少し心のこもった暖かい言葉がけがあってもいいのではないかと思うこともあります。

 多分、通院している飼い主さんたちもそういう思いをしているのではないかと思うのですが、やはり近いし通い慣れているから、その辺のことは目をつぶろうという気持ちの収め方をしている飼い主も多いのではあるまいか。

 久美子さん夫婦もインターネットで調べに調べ、笹塚にある動物病院にセカンドオピニオンを求めたそうです。笹塚の病院には獣医も看護師も何人もいて、丁寧にいままでのいきさつや病歴を聞いてくれたといいます。
 結局、ハンナの腎臓病の診断は、和光の先生と変わらないものの、それでも笹塚の先生に「一緒に頑張っていきましょう」と言ってもらえたことに「どんなに救われたことか」と話してくれました。

 フィラリア予防薬などどこで処方されても同じ薬を買いに行くとか、緊急時の点滴などは今まで通り、通いやすい和光へ行くだろうとのことですが、週1回でもしばらくは心おきなく相談できて、飼い主の心のケアにも取り組んでいる笹塚の病院にも通うといいます。

 私はそういう利用の仕方でもいいと思います。というか、そういう方法を取らざるを得ないんだな、飼い主にしたら。

 「笹塚は少し遠いので大変だけど、小首をかしげたままのトチや、どこが痛いのか分からないけど『きゃん』と鳴くクリも、一度笹塚に連れて行ってごらんよ。私の話だけでなく、実際に受診してその病院との相性を感じて来て」と久美子さんに勧められ、それもいいかもと思ったのでした。


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