「経済的な豊かさ」を国際的に比較するにあたっては、国民1人当たりGDPを用いることが一般的である。昔、ベストセラーとなった 『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本は、社会学者エズラ・ヴォーゲルにより書かれており、当時の日本の一人当たりのGDPは第1位であった。
この本では、戦後の日本経済の高度経済成長の要因を分析、終身雇用や年功序列の日本的経営を高く評価していた。また、日本の高い経済成長の基盤になったのは、日本人の学習への意欲と読書習慣であるとして、当時の日本人の数学力はイスラエルに次ぎ2位で、他の科学分野についても2位から3位であったという。
彼は、日本人の1日の読書時間の合計がアメリカ人の2倍に当たること、新聞の発行部数の多さなどにより、日本人の学習意欲と読書習慣を高く評価している。
しかし最近では、先進37カ国で構成されるOECD加盟諸国の2019年の国民1人当たり GDPをみると、1位はルクセンブルクで、日本の国民1人当たりGDPは、37カ国中21位であった。
これは、米国の2/3程度に相当し、イタリアやチェコなどとほぼ同水準で、日本の経済力の低下が目立っている。この原因はいろいろと考えられるが、そのひとつに「ゆとり教育」によるハングリー精神の欠如にあるのではないかと思っている。
そのために、韓国の1人当たりGDPや労働生産性で韓国にも抜かれているのだ。聞くところによると韓国では、競争が激しく学生などの勉強量が半端でないらしい。
だから、日本の一人当たりのGDPが低下したのは、社会の変革意識が韓国よりも弱いのだろう。歴代の大統領が収監されることが多い一方で、日本人は昔からお上に弱いような気がしている。
ところで、71歳の年金生活者であるが、このままいけば年金システムが崩壊するそうだ。そのために、75歳まで働かなければならないという。私は身障者なので働ける場所は限りがあるが、働ける人は75歳まで働いて、日本の生産性を上げなくてはならない。そのためには、元気な老人同士が支え合う社会を作り、医療費を少なくして社会貢献する社会を作らなければならないと思っている。 すなわち、“老人の活用”である。
「十勝の活性化を考える会」会員