20年前、清水町山岳会の募集でぺケレベツ岳(1,532M)に登った。それが、私が日高山脈の山々に夢中にさせる契機になった。ぺケレベツ岳は、日勝峠の途中に登山口の案内板があり、尾根を登っていく山登りであったと記憶している。
清水町という名前の由来は、アイヌ語の「ペケレペツ」(明るく清らかな川)にあるという。山登りとしては、中学1年時の雌阿寒岳、高校2年時の剣山、そして社会人になってからは北アルプスなどに年間一~二回ほど登っていたが、北海道の登山、とりわけ日高山脈の登山は久し振りであった。
当日の天候は晴れで眺望も良く、十勝平野を眼下に日高山脈の山々や遠く阿寒連峰も見渡すことができて、その雄大なパノラマに接してそれまでに無い感動を覚えた。
「北海道の登山は、日高に始まり日高で終わる」と言われるほど日高山脈は、魅力一杯の山々で、2024年に国立公園になるようだ。九州の屋久島にある宮之浦岳をはじめとして、全国の山々を登った経験から思うのであるが、日高山脈ほど神々しく綺麗な山は無かった。登山者が少ないからであろうが、国立公園化されることによって、山が汚されることを危惧している。
日本はいま、登山ブームの真っただ中にある。山ガール、山ボーイなどが話題を集め、コロナ禍のソーシャルディスタンスで一層ブームになっている。90年代前半に、深田久弥氏による「日本百名山」が話題となったが、バブルが崩壊し日本が元気を失くした時でも、日本人は山に登り続けたのである。
また、登山は閉塞感の漂う時代にもマッチしていたともいえる。日頃のストレスを解消する爽快感や達成感を気軽に味わうことができるために、癒しを求める現代人の逃げ場にもなったのである。
ところで十勝は、北海道の中でも登山するにあたって、最適地にあるといっても過言ではない。道路が整備されており、日高山脈のほか、大雪山連邦、十勝岳連邦、阿寒連峰など、天候に恵まれれば日帰りで気軽に登れる山がたくさんあるからだ。
「十勝の活性化を考える会」会員