道の駅おとふけ“なつぞらのふる里”は、令和4年4月15日にオープンした。道の駅は十勝でも16カ所あり、17番目のオープンである。日本の食を支えている音更町だけあって、「十勝の食の集結」をコンセプトに9軒の飲食店が出店していた。
音更町(人口:約45千人)は、パンやうどんの原料となる小麦、納豆、豆腐などの原料となる大豆の日本一の収穫量を誇っており、小麦工場、納豆・豆腐工場、乳製品工場等々の食生活に必要なものを作っている会社がたくさんある。
道の駅は、①道路利用者のための「買物、食事、休憩機能」、②道路利用者や地域の人々のための「情報発信機能」、➂道の駅を核としてその地域の町同士が連携する「地域の連携機能」という機能を持って設置されている。
20年前までは十勝にも、幹線道路沿いに“ドライブイン”というものが多くあったが、魅力的な道の駅に押されて無くなった。これからは、国道241号線は、“道の駅街道”と呼ばれるようになるだろうが、一方で、どこもかしこも道の駅ができて共倒れになることを心配している。
地元新聞によれば、道の駅 “おとふけ”はインターチェンジのすぐそばにあり、ゴールデンウイーク中に管外からの人などで約13万人の人出であったそうで、5月連休明けの平日にもかなりの人出でにぎわっていた。
ただ、隣町の士幌町と上士幌町に作られた道の駅は閑散としていた。音更町で育った者として道の駅ができて音更町がにぎわうのは良いが、十勝は一つであり一極に集中しなければ良いと思っている。道の駅“おとふけ”でパンや農産物を買ってきたが、購買客に尋ねると高級感を感じる道の駅として差別化を図っているらしい。
ところで、事業停止した国際ホテル“筒井温泉”付近の長流枝には、新しく高速道路のインターチェンジができて札幌・釧路方面の人々が利用するのに大変便利になるので、美人の湯の「モール温泉」である十勝川温泉が再興するのは間違いない。温泉は美人になるだけではなく健康にも良いので、食料基地である十勝が、長寿のまち“十勝”としても売り出していけると思っている。
ただ、十勝も過疎化現象によって、長い目で見れば都市圏のように二極化現象が避けられず、“道の駅”を十勝の活性化のひとつにしなければならないと思っている。道の駅“おとふけ”の発展を期待したい。
「十勝の活性化を考える会」会員