十勝の活性化を考える会

     
 勉強会や講演会を開催し十勝の歴史及び現状などを学ぶことを通じて十勝の課題とその解決策を議論しましょう

愛国心

2022-11-23 05:00:00 | 投稿

 

愛国心とは祖国に対する愛着である。国歌国旗は愛国心の象徴とされ、国技である大相撲の千秋楽で歌われるのが国歌で、国旗掲揚も各種大会などで掲揚される。

愛国心と言えば古いデータであるが、2009年10月2日、イギリス誌エコノミストが発表した調査結果によると、世界33か国中、自国に対する誇りが最も高い国はオーストラリアで、最も低い国は日本であることが分かった。

現在においても、それほど違いがなかろう。その理由は、戦前の天皇崇拝の教育結果の反動であろうと思われるが、それにしても残念である。私が残念に思うのは、愛国心だけではない。日本人の“人間愛”のことである。

最近の日本人は何事にも無関心で人間愛がなく、自分中心主義と言っても良いだろう。それは、国力が減退している今の日本を見れば分かるだろう。世の中は急速な変化を遂げているので、人間も変わっていかないと国力を含めてダメになっていくのである。

ロシア・ウクライナ戦争が勃発して8カ月になる。戦況は分からないが、報道によるとウクライナ軍がまき返しているらしい。これにも、愛国心が関係していると思っている。“火事場のバカ力”と良く言われるが、ウクライナ軍が火事場のバカ力に加えてドローンという近代兵器を使ってまき返しているのである。

話は変わるが、私が会長をしていた「十勝の活性化を考える会」の事務局長が、帯広市議会議員選挙に立候補することを、地元新聞で報じていた。「れいわの新風」を市議会に吹かせようとしており、私も陰ながら応援しようと思っている。なぜなら、今の日本社会は、アイヌの差別をはじめとして差別が多いからである。私も身体障害者であるから、いろいろな差別を受けている。

彼はIT(情報技術)会社の社長で、十勝を変えるための適任者であり、チャンスでもある。デジタルが勝つかアナログが勝つかである。この場合のデジタルとは“インターネット”を活用すること等を意味し、アナログとは徒歩で辻説法するようなものを意味している。

「十勝の活性化を考える会」会員


英語の氾濫

2022-11-22 05:00:00 | 投稿

 

英語が氾濫している。“エビデンス”や“トリアージュ”などの英単語のことである。エビデンスとは証拠・根拠で、トリアージュとは命の選別で、大事故・災害などで同時に多数の患者が出た時、手当ての緊急度に従って優先順位をつけることである。新型ロロナの陽性者が増えてきており、私は障害者であるから真っ先にトリアージュされるであろう。

世界共通語とはいえこの英語、何とかならないものであろうか。確かに言葉が通じることによって、世界は平和になるのは間違いない。言葉が通じなくて、戦争になることもあったであろう。アイヌと松前藩の戦いである1669年の“シャクシャインの戦い”も、それが原因のひとつであったろう。

アイヌ語を流ちょうに話せる人がいなくなってから久しい。世界には約7千種類の言語があり、その40%が絶滅の危機に瀕しているという。言葉とは、その民族のアイデンティティーを示す第一であるから、大切にしたいものである。

アイデンティティとは、「同一性」、すなわち「他ならぬそれそのものであって他のものではない」という状態や性質のことである。そのため私は、日本人のこころの象徴である俳句を、最近になって始めた。

俳句に詳しい夏井いつき氏に言わせると俳句は病気を治す薬で、自分が満足すれば良いのだという。人間同士には“阿吽の呼吸”というものがあるが言葉でつながる部分が多く、俳句や短歌は世界に誇る日本文化のひとつだと思っている。なぜか分からないが、その俳句が外国人に流行っているそうであるが、外国人に俳句の心が分かるだろうか・・・。

札幌に住んでいる6歳になる孫は、私の家に入ってくる時、“グッドモーニング”と言って入ってくる。英語は、世界共通語であるからだろう。すでに、小学校でも英語が必修科目になっているようである。

「十勝の活性化を考える会」会員

 


酪農

2022-11-21 05:00:00 | 投稿

 

11月10日、十勝プラザでの「第19回 資源循環型肉牛生産シンポジウム2022」を聞いてきた。北海道大学名誉教授 波多野隆介氏の基調講演から始まり、酪農関係者の話題提供があり、最後に講師4人によるパネルディスカッションがあった。講師の出田牧場を営んでいる出田基子氏によると、放牧経営が牛が雪に囲まれて寝るそうで、コストを抑えられ良いそうである。

ただ、大変残念に思ったことは、4年前の「道新」記事によれば、道内の酪農戸数が、平成に入ってからの30年間で半減していることである。その理由はいろいろあるが、そのひとつに酪農は重労働で後継ぎがいない場合が多いのである。

そのうえに、少子高齢化による人口減少で牛乳の消費が伸びず、廃棄する場合もある。国内全体に占める道内産の牛乳シェアは5割を超えるが、環太平洋連携協定(TPP11)などにより外国の乳製品が増える見通しで、これも悩みのひとつである。

私の従兄も帯広市の隣りまちで、肉牛・乳牛合わせて約500頭を飼って、農地が約150ヘクタールの面積があり、大規模畜産業を営んでいる。牛の飼料となるデントコーンなどは、約7割を自前農場で調達しており、円安による飼料価格の高騰はあまり関係ないとみられる。

先日、女性獣医師を農場に案内したが、放牧して牛にストレスがかからないために、とても良い骨格をしているそうである。ただ、8台あるトラクターで牧草を収穫するものの最後は外国人労働者に頼らないといけないため、悩みの種は、酪農ヘルパー組合に支払う24千円の日当だそうである。

日本の食糧基地である十勝の食糧自給率は約1,300%。日本の食糧自給率は40%弱であり、乃木希典将軍が言っていたように「国富在農」であるから、日本はもっと農業を大切にしなければいけないと思っている。

「十勝の活性化を考える会」会員

 

注)十勝平野

(写真提供:十勝観光連盟)


日本の経済成長

2022-11-20 05:00:00 | 投稿

 

何の根拠もないが、これからも日本の経済成長はないと思っている。現在の日本経済は、急激なインフレと不景気が長く続いているので、スタグフレーションではないだろうか。

今年10月に入ってからの食品を中心とする値上りが、約6千項目におよぶという。パンやお菓子も値上がりしていた。消費者物価は、日銀が目指している2%以上も値上がりしているのに、実質GDP成長率は22年度+1.4%、23年度+1.0%と不景気を予想している。

経済成長率とは、国の経済規模がどれだけ成長・変化したかを率に表したものである。経済成長率は高いほど国が豊かになっていることを意味し、日本も1970~1980年代は「高度成長期」と呼ばれた時期もあり、私の給料は、1年間で約1割近く上がったと記憶している。

しかし、現在では日本の経済成長率は2019年が0.3%と低迷しており、国自体はほとんど豊かになっていない。国が経済的に豊かでないと給料は上がらず、国民生活も豊かにならない。

経済成長率は、国内総生産(GDP)をもとに年間でどれだけ経済規模が成長しているかを示す指標である。国が発表しているのは実質経済成長率であり、これは円の時価総額や物価の変動を除いた実質GDPで割り出している。

国内総生産は1年間を4半期に分割し、期間内に国内で生み出した物やサービスの付加価値の合計で、「日銀短観」として発表される。GDPの数値が前期や前年比でどの程度増減したかを計算することで、その国の経済成長率が分かる。

日本の場合、1980年代半ばまでは経済成長が著しかったが、バブル崩壊以降は低調になっている。1945年の終戦以降、日本では復興を成し遂げて高度経済成長期に入った。国内においては設備投資、個人消費、外国への輸出が拡大し、人的資源も東京圏に集約されたことで目ざましい成長があった。

しかし、外国為替の変動相場制への移行に加え、世界的なオイルショックの影響があり、内需を促進することで不況を回避したが、バブルと呼ばれ株価や地価の急激な上昇を引き起こした。バブルは1990年頃には崩壊し、その後の日本経済は長い停滞期に入ったのである。

2011年の東日本大震災の影響もあり、2011年度には再び経済成長率は0.5%と鈍化してしまう。最近は、コロナウィルスの世界的流行により、2019年度の経済成長率は-0.7%と落ち込む結果になった。

2020年度には国内でもコロナウィルスが拡散し、緊急事態宣言の発令などもあって、経済成長率は戦後最低の-4.5%であった。今後の新型コロナ次第では、経済成長率が大きく変動する可能性もある。

2021年の日本のGDPは、アメリカ・中国に次ぐ世界で第3位と発表されたが、国民一人当たりのGDPで見ると、世界で25位となっている。GDPは人口の多い国ほど高くなりやすいが、日本は国民一人当たりのGDPが伸び悩んでいる状況である。現在の状況は、バブル崩壊以降はほとんど経済成長が見られない。

経済成長率では中国・インド・韓国などが高い成長率を見せている中、日本は構造改革が進まず低調のままである。なぜ日本の経済成長率はこんなにも低いのか、以下4つに着目してみた。

  1. デフレの影響
  2. 実効税負担率が高い
  3. 低賃金労働
  4. 外国人労働者の輸入

結果として消費は冷え込み、給与も上がらないという負のスパイラルに陥っている。外国人労働者は、日本よりも物価の安い国から来ていることが多く、低賃金でも不平不満を言うことなく働いてくれると思われている。そんな外国人労働者を雇うことで低賃金を維持できるが、同じ条件で働く日本人にとっては大問題である。

今後の日本経済の成長率は、コロナの影響から徐々に立ち直り、発生前の水準まで徐々に回復していくと予測されているが、第8派の影響から、2023年度には潜在成長率並みの伸びに留まる予測である。

日銀が固執している金利政策であるが、安定した経済成長率を実現するには、実情に則した政策を政府が打ち出す必要があるだろう。日本は失われた30年とも言われるほど低迷状態であるが、改革が行われなければ今後も景気低迷は続くだろう。

私は学者ではないので、日本経済の打開策は分からないが、今後も人口減少が続くので公共事業などによる景気回復は無理であろう。この不景気が長く続くと、財政赤字で金利上げ政策がとられ、一層の景気悪化を招くという悪循環に陥りやすく、国債が暴落する恐れがある。 国際通貨基金(IMF)は先月(10月)、世界経済見通しの悪化を警告した。

IMFによれば、今年度の世界経済のGDPは、昨年度よりマイナス予想となり、世界の景気悪化が懸念されている。日本にも様々な影響がでるのは必至で、新型コロナ禍を機に全ての価値観が変わるかもしれない。

ロシアによるウクライナ侵攻や中国の景気減速等によって、不況に陥る可能性を示しているのである。コロナによる景気悪化であるが、新型コロナは地球温暖化という人間が作った代償であるから、“自業自得”であると言っても良い。日本の経済成長の妙薬は、無いと思われる。

  「十勝の活性化を考える会」会員


十勝の活性化

2022-11-19 05:00:00 | 投稿

 

「十勝の活性化」について考えてみました。私は芽室町出身で、実家は畑作農家をしていました。北大、北大大学院を経て電電公社の研究所に16年勤めたあと、北大で職を得て2年前に退職しました。専門はエレクトロニクス分野で、スマホにも関連しています。

さて、十勝は地理的にみると山と海に隔てられた独立国家の様相を呈しています。埼玉県入間市に住み、研究所時代に東京都武蔵野市に通っていたのとは大違いで、十勝は周りとの境界がはっきりしています。

東京依存の強い埼玉県の活性化を議論してもあまり意味がありませんが、十勝については独自の経済圏が成り立ちやすく、表記の議論は可能かと思います。

かつて、人間が生きていくための必須アイテムは「衣食住」と言われましたが、今はむしろ「食料」と「エネルギー」が重要項目でないかと思います。現に食料の半分と原油などのエネルギーの大半は、海外に依存しています。そして十勝の食に関しては、多くの人に議論されているので、ここでは私の専門に近いエネルギーの話を簡単に述べます。

自動車がガソリンから電気に変わっていくなど、今後エネルギーと言えば、電気エネルギーがますます重要な要素になっていきます。発電に関しては、東日本大震災の時の原発事故により国民的議論が沸騰しましたが、ここでは視点を変えて自然の再生可能エネルギーに着目してみます。

十勝の食料自給率は良く議論されますが、エネルギーの自給率の議論は、あまりありません。ところが道内でも、例えば稚内市は、早くから大規模な太陽光発電施設と風力発電施設が設置され、「電力自給率が100%を超えている」ことを売りにしています。

太陽光発電には、年平均の日照時間が重要ですが、十勝は、道内の中で比較しても日照時間が長く条件は整っていると思います。勇払原野に大規模発電が出来ていますが、十勝でも広大な土地があり、適地かと思います。

人口の集中により、帯広界隈に多くの産業が集積し、その周りの十勝平野が食料基地となっている状況ですので、さらにその外部の広大な土地に発電施設があるという、ドーナツ型の構想が考えられます。

また、風力発電については、沿岸部になるかと思います。風力発電のメッカの苫前町、小平町などの日本海側は、比較的に風が安定しているようですが、えりも町など強風が吹く太平洋側も、風力発電に適地かもしれません。

十勝の活性化を議論するうえで、人口の問題も重要です。ただ、日本の人口減少は全国的な規模であり、議論の糸口がつかめません。十勝の場合、社会インフラの効率的な運用を考えると、この動きはなかなか止められません。

特に、帯広から距離の離れた周辺町村の人口減少が深刻かと思います。こういった地域では、食料生産中心から、休耕地、遊休地を有効利用したエネルギー生産へのシフトという選択肢があります。太陽光発電が経済的に成り立つか、エネルギー生産は雇用を生まないなどのいくつかの問題がありますが・・・。

東日本大震災直後における法外な太陽光発電の買取価格に端を発した「太陽電池ブーム」も去り、少し落ち着いてきました。従って、これからは長期的視野に立って、エネルギー自給の観点から、もう一度、この問題を考えてみてはいかがでしょうか。

中国が太陽光パネルの過剰生産で価格が大幅に下がっていますし、風力発電も中国メーカーが低価格化に成功して、中国国内で爆発的に伸びているなど、投資環境は、「追い風」の状況です。

一方、原子力発電だけでなく主力の火力発電も、化石燃料を燃やすことで、昨今の大規模な水害など地球温暖化をもたらす原因ともなり、今後ますます燃やすのが難しくなります。詳細な議論は割愛しますが、十勝の活性化に取って自然エネルギーの活用が役立つことを期待します。

最後に、活性化という言葉に「未来志向」という意味が含まれているかと思いますので、夢のある提案をひとつ。どうしても人を増やしたいとなると、企業誘致などにより働く場を増やすことが求められます。一方で、AIやロボットの進化で、消滅してゆく職業もたくさんあるといわれています。

そんな中で地方活性化の一助となる『サテライトオフィス』が注目されています。インターネット環境が急速に整備されたことで、首都圏の本社で働くより、自然環境、住環境に優れた地方の中核都市にサテライトオフィスを作り、豊かな生活を送りながら働いてもらおうという流れです。

業種は、ソフト開発、回路設計、IT技術開発、ゲームソフトなどベンチャー企業を中心に、いずれも先端的な産業で、しかも当面はAIではなく「人海戦術」に頼らなければならない業種です。

徳島県では、既にいくつかの企業を呼び込むなど、ある程度成功しているようです。これには、行政も巻き込んだ環境整備が必要ですが、小規模ながら比較的若い先端的な企業群が整う可能性もあり魅力的だと思いますが、如何でしょうか。

「十勝の活性化を考える会」会員F