たまの休日、テレビを見ていると教育問題について、いろんなテレビがいろんな議論をしていた。まあ、頭のよい人たちの話なので、それなりに正しいのだろうが、本当にそれでいいのか疑問に思うことも多い。
今回思うのは、最近浜松でも導入された学校選択制についてである。学校の特色と独自性を出すために(違ったらごめんなさい)、保護者が学校を選べる時代になると、耳にタコができるほど会議や研修会で聞く。なるほど、校長先生はじめ、学校の管理職にとっては自分たちの学校が評価される(正確には人気があるかどうかだと思うのだが)という、緊張する制度である。すでに小学校では導入されているが、現状はどうなのであろう?いい先生のところ、いい学校に子供を通わせることができるという、きわめて画期的に思えるこの制度、プロ野球の人気球団とそうでない球団のように差ができたり、逆に、経営陣や職員の努力で立ち直るなどして、いわゆる教育のプロ意識よろしく、公立学校の水準が上がるということが考えられる。
一見上手くいきそうなこの制度、いくつか個人的に思っている疑問や課題をあげてみよう。
①学校長や地域に人事権、予算権がないのに経営だけを任されても責任が取れないのではないか?
監督がチームの選手を選んだり、獲得できたら監督の考えるチーム作りも進むが、学校の監督、つまり校長に職員を集める(場合によってはトレードや放出)権利がないのに、与えられたスタッフで経営責任を取るのはいかがなものか?また、何をやるにもお金が必要なのだが、議会に対して予算請求する権利が校長にない以上何もできないではないか。画用紙一枚、サッカーボール一個だってすべて予算取りからスタートする。「お金をかけてないんだから教育の質が落ちるに決まってるじゃないの」と言ってしまえばおしまいである。
②学校の独自性、学校選択制といいながら、「7年以上勤務する先生は異動する。どうしてもの場合や複数の場合は各学校一人まで」という、規則ではないが、原則があるらしい。
「らしい」とは、自分が直接偉い人から聞いたわけではないので、本当かどうかはわからないのだが、少なくとも「若いときの10年間で3校勤務しなさい」は確かである。上記①と同じく、学校長に人事権がないため、どんなにその学校に影響を与える人でも、7年間で転勤するのである。静岡県は全国的に見て移動のサイクルが早いようだ。仮に全国大会に何度も出場する先生がいても、異動する。人事権は学校にないから翌年は指導者が来ない。廃部・休部になるのも実際にあった話である。赤い水性のように、掃いて捨てるほど代わりのいる教員ならいいが、大先生の場合は大変である。
③学校の責任者は誰?どうやって選ぶ?
そんなもの、先生(校長先生)に決まってるとおっしゃる方が多いと思うが、上記①のように、経営する際の権利がないのである。また、その学校に自分の意思で着任するわけではない。しかも任期は2年~4年である。果たしてそんな短い期間で成果が出るのだろうか?また、地域の人に校長先生を選んでもらうというのもなかなか面白いと思うのだがどうだろう。もっともそれを選べる地域の力が高くないといけないのだが・・・
④地域防災、資源回収などは行われなくなる?
仮に学校選択制が定着したとしよう。防災計画はどうなっているのだろうか?12月の地域防災では「大人や高校生は仕事や学校に言っているから、地域には年寄りと子供しかいない。だから中学生は重要な役割を担っている」という話を聞くが、その中学生が地域の子でない場合、その考えは根底から覆されることになる。また、地域の人と協力しての資源回収といっても、その地域の学校に通っていなかったり、PTAのメンバーでないのだからこれも無理が出てくる。もっともPTA活動なので、子供に参加義務はないのだが・・・たまに、「生徒が働かないので、学校でもっと指導してほしい」ような苦言が耳に入るが、「PTAのPは親でTは先生ですから生徒は関係ありません」なんて言えないが、本当はそうなんだよね。生徒会が協力すると生徒総会で可決すれば生徒に参加義務ができるのだが。
浜松全体が一つのPTA組織として活動するとか、アクトタワー並みの耐震安全性をどの学校にも導入するとかしなければいけない。少なくとも防災計画については人命にかかわることなので、選択制導入の前に具体的に示してほしい。災害は待ってくれないのだから。
今回のテーマとは少し外れるが、長くなったついでに気になることをもう一つ。
大学で教員免許に必要な授業を受けているときに何の疑問も持っていなかったのだが、大学教授のほとんどは小中学校、高校で授業をしたことがないのである。ひょっとすると教員免許を持っていないと思う。医学部の教授が患者を治療したことがないなんてありえないのだが、教育界ではそれが普通なのであることは驚きである。先日の教科の研修会、話は勉強になったが、その先生、よく聞くと学校で授業を教えたことはないとのこと。うーん・・・まずはここからだな、教育界。
今回思うのは、最近浜松でも導入された学校選択制についてである。学校の特色と独自性を出すために(違ったらごめんなさい)、保護者が学校を選べる時代になると、耳にタコができるほど会議や研修会で聞く。なるほど、校長先生はじめ、学校の管理職にとっては自分たちの学校が評価される(正確には人気があるかどうかだと思うのだが)という、緊張する制度である。すでに小学校では導入されているが、現状はどうなのであろう?いい先生のところ、いい学校に子供を通わせることができるという、きわめて画期的に思えるこの制度、プロ野球の人気球団とそうでない球団のように差ができたり、逆に、経営陣や職員の努力で立ち直るなどして、いわゆる教育のプロ意識よろしく、公立学校の水準が上がるということが考えられる。
一見上手くいきそうなこの制度、いくつか個人的に思っている疑問や課題をあげてみよう。
①学校長や地域に人事権、予算権がないのに経営だけを任されても責任が取れないのではないか?
監督がチームの選手を選んだり、獲得できたら監督の考えるチーム作りも進むが、学校の監督、つまり校長に職員を集める(場合によってはトレードや放出)権利がないのに、与えられたスタッフで経営責任を取るのはいかがなものか?また、何をやるにもお金が必要なのだが、議会に対して予算請求する権利が校長にない以上何もできないではないか。画用紙一枚、サッカーボール一個だってすべて予算取りからスタートする。「お金をかけてないんだから教育の質が落ちるに決まってるじゃないの」と言ってしまえばおしまいである。
②学校の独自性、学校選択制といいながら、「7年以上勤務する先生は異動する。どうしてもの場合や複数の場合は各学校一人まで」という、規則ではないが、原則があるらしい。
「らしい」とは、自分が直接偉い人から聞いたわけではないので、本当かどうかはわからないのだが、少なくとも「若いときの10年間で3校勤務しなさい」は確かである。上記①と同じく、学校長に人事権がないため、どんなにその学校に影響を与える人でも、7年間で転勤するのである。静岡県は全国的に見て移動のサイクルが早いようだ。仮に全国大会に何度も出場する先生がいても、異動する。人事権は学校にないから翌年は指導者が来ない。廃部・休部になるのも実際にあった話である。赤い水性のように、掃いて捨てるほど代わりのいる教員ならいいが、大先生の場合は大変である。
③学校の責任者は誰?どうやって選ぶ?
そんなもの、先生(校長先生)に決まってるとおっしゃる方が多いと思うが、上記①のように、経営する際の権利がないのである。また、その学校に自分の意思で着任するわけではない。しかも任期は2年~4年である。果たしてそんな短い期間で成果が出るのだろうか?また、地域の人に校長先生を選んでもらうというのもなかなか面白いと思うのだがどうだろう。もっともそれを選べる地域の力が高くないといけないのだが・・・
④地域防災、資源回収などは行われなくなる?
仮に学校選択制が定着したとしよう。防災計画はどうなっているのだろうか?12月の地域防災では「大人や高校生は仕事や学校に言っているから、地域には年寄りと子供しかいない。だから中学生は重要な役割を担っている」という話を聞くが、その中学生が地域の子でない場合、その考えは根底から覆されることになる。また、地域の人と協力しての資源回収といっても、その地域の学校に通っていなかったり、PTAのメンバーでないのだからこれも無理が出てくる。もっともPTA活動なので、子供に参加義務はないのだが・・・たまに、「生徒が働かないので、学校でもっと指導してほしい」ような苦言が耳に入るが、「PTAのPは親でTは先生ですから生徒は関係ありません」なんて言えないが、本当はそうなんだよね。生徒会が協力すると生徒総会で可決すれば生徒に参加義務ができるのだが。
浜松全体が一つのPTA組織として活動するとか、アクトタワー並みの耐震安全性をどの学校にも導入するとかしなければいけない。少なくとも防災計画については人命にかかわることなので、選択制導入の前に具体的に示してほしい。災害は待ってくれないのだから。
今回のテーマとは少し外れるが、長くなったついでに気になることをもう一つ。
大学で教員免許に必要な授業を受けているときに何の疑問も持っていなかったのだが、大学教授のほとんどは小中学校、高校で授業をしたことがないのである。ひょっとすると教員免許を持っていないと思う。医学部の教授が患者を治療したことがないなんてありえないのだが、教育界ではそれが普通なのであることは驚きである。先日の教科の研修会、話は勉強になったが、その先生、よく聞くと学校で授業を教えたことはないとのこと。うーん・・・まずはここからだな、教育界。