とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

自然界のミネラル供給の仕組み

2019年01月17日 | 日記
昨日の測定で、厳冬期の畑の地下水(湧き水)がPH7.43と分かったので、これを基準にして土壌PHを調査していきたいと思います。

<サンプルA:道具小屋脇の通路表土>
ここの土は10月29日の測定でPH7.5以上と推定されましたが、細かく値を詰めていませんでした。改めて確認してみます。
畑の湧水PH7.43に土を投入→PH7.49
畑の湧水と農業用水の混合水PH7.60に土を投入→PH7.59
(農業用水はPH8.49)


最近、通路表土は常に乾いた状態にあるので、水分蒸発によるミネラル濃縮が発生していると考えられます。湧水との差から、ミネラル濃縮によるPH上昇作用を0.15程度と見積もります。

続いて、枯草分解によるミネラル放出を見るために、カブの畝間の土を調べてみます。
<収穫後のカブ畝の様子>


カブの畝間には、作付時に敷いた草に加えて、収穫時に切り落とした葉も敷いてあります。これらが枯れると、どの程度ミネラルが放出されるのでしょうか。


枯れた敷草をどかし、畝間表土を採取します。


<サンプルB:カブ畝間 敷草下の表土>
畑の湧水PH7.42に土を投入→PH7.54
混合水PH7.80に土を投入→PH7.83
混合水PH8.00に土を投入→PH7.95
※PH7.90付近と推定


敷草がない通路表土との差から、枯草分解によるPH上昇作用は0.30程度となります。
さて、カブの畝間については、カブ収穫直後の12月7日にも測定しました。その時の値PH7.30を踏まえると、ミネラル供給を次の3系統で考えることができます。
(1)地下水による供給:PH0.15上昇
(2)水分蒸発による濃縮:PH0.15上昇
(3)枯草分解による放出:PH0.30上昇
3系統の合計で上昇値はPH0.60です。1カ月でこれだけの回復力があれば、カブ収穫によるミネラル持ち出し分を十分に賄えると思います。

(注)PH測定から分かるのはあくまでもアルカリ成分に限っての話ですが、化学肥料を施した場合と異なり、地下水や枯草は様々なミネラル成分をバランス良く含んでいるはずなので、アルカリ成分を代表値として考えても大過ないと思います。
コメント
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