とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

枯れた夏野菜のPH

2019年01月23日 | 日記
本日も各種野菜のアルカリ集積度を調べます。3日前にナスとトマトの枯れた枝茎を調べましたので、その他の夏野菜についても計測し、何らかの法則性があるか考えてみます。

先ず、野菜に入る前に、基準データとしてブタクサを再測定します。夏場に最もよく育つ草なので、この地域の土壌(黒ボク土)への適合度が最も高いと言えます。
<サンプルA:ブタクサの枯れ茎の抽出液>
畑湧水PH7.53にブタクサの枯れ茎を投入
(5分後)7.77(10分後)7.87(20分後)8.04
※アルカリ性。1月19日のデータと変わらず。


次は、支柱栽培している穂高インゲンです。穂高インゲンはモロッコインゲンの原種だそうです。
<サンプルB:穂高インゲンの枯れツルの抽出液>
畑湧水PH7.52に穂高インゲンの枯れツルを投入
(5分後)7.76(10分後)7.91(20分後)8.07
※アルカリ性


ブタクサにかなり近い値です。インゲンを野生で育てるなら何かに絡みつかせる必要があるので、ブタクサのような背の高い草との相性が良いということでしょうか。

続いて、同じ豆科でも、ツルが伸びず樹木性である大豆を調べます。
<サンプルC:大豆の枯れ茎の抽出液>
畑湧水PH7.52に大豆の枯れ茎を投入
(5分後)7.72(10分後)7.95(20分後)8.15
※アルカリ性


ブタクサよりも0.1高く、ナスの値(PH8.14)に近い値です。0.1の差異が樹高(ブタクサは高く、ナスおよび大豆は低い)に関係するのかどうか微妙なところです。PH8.5程度の農業用水を使って、値をもう少し正確に定める必要がありそうです。

次はオクラです。オクラ栽培は毎年うまくいっていませんが、PHからその原因が分かるのを期待。
<サンプルD:オクラの枯れ茎の抽出液>
畑湧水PH7.53にオクラの枯れ茎を投入
(5分後)8.33(10分後)8.59(20分後)8.92
※高いアルカリ性


枯れ茎を投入した途端にPHが急上昇し、大変驚きました。ブタクサ(PH8.04)とこれだけの差があると、何らかの意味があると考えざるを得ません。

次は西洋カボチャです。
<サンプルE:西洋カボチャの枯れツルの抽出液>
畑湧水PH7.47に西洋カボチャの枯れツルを投入
(5分後)7.83(10分後)8.34(20分後)8.77
※高いアルカリ性


オクラより若干低いですが、豆科やナス科よりも明らかに高い値です。オクラ、カボチャの共通性は何でしょうか。

最後にカボチャの仲間のズッキーニを調べます。
<サンプル:ズッキーニの枯れツルの抽出液>
畑湧水PH7.55にを投入
(5分後)9.72(10分後)9.93(20分後)10.03
※かなり高いアルカリ性


予期せぬ値に一瞬目を疑いました。枯れてツルがかなりボロボロになっていたので、体内に閉じ込められていたアルカリが一気に溶け出たようです。他の野菜もしっかり枯れれば、より高い値が出るのかもしれません。

それでは、先日測ったナス科(ナス、トマト)も含めて、20分経過後のPH値をまとめてみます。

キク科:ブタクサ(8.04)
ツル性豆科:穂高インゲン(8.07)
樹木性豆科:大豆(8.15)
樹木性ナス科:ナス(8.14)
ツル性ナス科:トマト(8.41)
ツル性ウリ科:西洋カボチャ(8.77)
アオイ科:オクラ(8.92)
矮性ウリ科:ズッキーニ(10.03) ※矮性=短いツル性

高いアルカリ性が計測された野菜の共通性を挙げるとすれば、茎やツルに、トゲもしくは毛状の突起がある点が最初に思いつきます。トゲや毛はケイ酸を主成分とするガラス質繊維ですので、昨日、白菜について考えたのと同様に、「ケイ酸を運搬するためのアルカリの関与」が濃厚であると言えます。植物がガラス質突起を身にまとうのは、乾燥気味の気候条件下で効率良く水分を集めるためです。
コメント
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